野の百合、空の鳥

アニメ・漫画・文学を「読む」

文学

『俺ガイル』14巻 感想・考察 だから青春は「本物」を求め続ける

「自意識の化物」がたどり着く先は、人間への不信、言葉への批判、そして本物の希求です。 疑り深い人は言葉の裏を読みたくなる、そうすると、人の心理が透けてくる。すると、もううわべだけの馴れ合いには気持ち悪さしか感じなくなる。だから本物の、もっと…

『俺ガイル』8巻 解説・考察「こうして、比企谷八幡はまちがえる」

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (8) (ガガガ文庫) Ⅰ. 「まちがい」 自分が何かまちがえたのではないかという、その疑念だけが残った。 (渡航『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。⑧』p.334より) 『俺ガイル』8巻のキーワードは「まちがい…

『俺ガイル』7巻 考察・解説 「そうして、彼ら彼女らは嘘をつく。」

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。7 ガガガ文庫 やはり俺の青春ラブコメはまちがっている Ⅰ. 「だから、誰もが嘘を吐く。」 大事だから、失いたくないから。 隠して、装って。 だからこそ、きっと失ってしまう。 そして、失ってから嘆くのだ。失うこ…

<お知らせ>と<おまけ>

<お知らせ> 私事で多忙のため、9月と10月のブログ更新をお休みさせていただきます。 いつもお読みになってくださっている方々にはたいへん申し訳ありません。 ブログ更新の再開は11月の初旬を見込んでおります。 何かありましたら、Twitterの方でお知らせ…

芥川龍之介『河童』読解・解説

Ⅰ. はじめに ⅰ. 「狂人」の罵言 ――「出て行け! この悪党めが! 貴様も莫迦な、嫉妬深い、わいせつな、ずうずうしい、うぬ惚れきった、残酷な、虫の善い動物なんだろう。出て行け! この悪党めが!」 (芥川龍之介『河童・或阿呆の一生』(新潮文庫, 1968) p6…

俺ガイル 第1章(1~6巻) 考察 ――ようやく彼ら彼女らはお互いを「知る」―― <後編>

<前編>においては、「知る」ということについて、特に八幡と由比ヶ浜の関係から、彼らが互いをどのように「知って」いったのかを見てきた。 <後編>においては、さらに八幡と雪乃の関係から「知る」ということを見つめ、『俺ガイル』第1章で「知る」とい…

俺ガイル 第1章(1~6巻) 考察 ――ようやく彼ら彼女らはお互いを「知る」――<前編>

『俺ガイル』第1章(1~6巻)((公式で割り振られた区分ではない。本考察(および本ブログ)では、便宜上1~6巻を第1章と呼ぶ。))は、彼ら彼女らがお互いを「知り」、スタートラインに立つまでの物語だ。 そこで重要となっているのは「知る」ということだ。 …

カフカ『変身』解釈 ――「虫」とは何か?――

『変身』解説ーーカフカから読むカフカーー 『変身』という作品をご存知でしょうか?ある朝目覚めると、自分が「虫」に変身してしまっていたという、フランツ・カフカのショッキングな小説です。 外国文学としてはかなり有名で、名作との呼び声も高い『変身…

俺ガイル考察 5巻でカマクラがネコリンガルに残した言葉

今回は俺ガイル5巻でカマクラの残した言葉はいったい何だったのかを考察していきたいと思います。 本編と直接関わりないからか、自分の見た範囲ではこれに関してあまり有効な考察はされていませんでしたが、この5章は短編としてうまく出来ていますし、ところ…

堀辰雄『燃ゆる頬』解説 「純文学」の読み方

純文学は読みにくい? 純文学のイメージ なぜ純文学は読みにくいのか? 文学的な「読みにくさ」 『燃ゆる頬』を「読む」 「少年時からの脱皮」の物語 0. 用意されつつある「脱皮」 1. 「受精した花」を「揉みくちゃ」にする 2. 男性性が確立された魚住 3. 薔…