野の百合、空の鳥

アニメ・漫画・文学を「読む」

「つながり」の話 (3.11を起点に)~『さらざんまい』のメッセージを受け取るために~ <後編>

<前編> www.zaikakotoo.com <後編>では、そのような「つながり」の切断、そしてつながりたいけどつながりたくないというアンヴィバレントな欲望について確認し、『さらざんまい』ではどのような欲望が描かれるのかという問題の核心に迫っていきたいと思…

「つながり」の話 (3.11を起点に)~『さらざんまい』のメッセージを受け取るために~ <前編>

Ⅰ. 「つながりたい」という欲望 ――震災を経て―― 『さらざんまい』の監督である幾原邦彦氏(以下「幾原監督」)は、『読売新聞』の記事で以下のように述べています。 「阪神大震災と東日本大震災、その後も続いた地域災害を経て、僕らは損なわれる物質の無常…

さらざんまい考察④村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』との類似性

Ⅰ. はじめに 『さらざんまい』と村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(以下『多崎つくる』と表記する)って似てるなと思いました。 どういうところが似ているのかというと、 ヒロインの名前(「吾妻サラ」∽「木本沙羅」) 登場人物たち…

芥川龍之介『河童』読解・解説

Ⅰ. はじめに ⅰ. 「狂人」の罵言 ――「出て行け! この悪党めが! 貴様も莫迦な、嫉妬深い、わいせつな、ずうずうしい、うぬ惚れきった、残酷な、虫の善い動物なんだろう。出て行け! この悪党めが!」 (芥川龍之介『河童・或阿呆の一生』(新潮文庫, 1968) p6…

さらざんまい考察番外編「命の分岐のライン」について

はじめに これは私が見聞きした「存在できる命と存在できない命の分岐のライン」という幾原監督の言葉だと思われる文言に関して考えたことをまとめたものです。 つまり、まず初めに承知しておいていただきたいのは、この記事が伝聞をもとにして書かれた不確…

さらざんまい考察③「吾妻橋」から読み解く『さらざんまい』――吾妻橋と吾妻サラ――

本記事では吾妻サラについての情報を整理した上で、前回まとめた吾妻橋に関する情報を利用して、吾妻橋と吾妻サラの関連について考えていきます。

さらざんまい考察②「吾妻橋」から読み解く『さらざんまい』――吾妻橋の歴史と由来・「巴」に関する試論――

この記事では、作品のキープレイスの一つとなっている「吾妻橋」から、『さらざんまい』について考察していきます。 概略を述べると、まず初めに現実の吾妻橋に関する事実をまとめ、そこから「吾妻橋」に関連すると考えられる「吾妻サラ」について考察してい…

さらざんまい考察①行為としての<さらざんまい>――精神分析・解脱・ユング的世界観――

Ⅰ. はじめに この記事では、一連の行為としての「さらざんまい」について考察していきます。 一連の行為としての「さらざんまい」とは、ここでは一稀・悠・燕太の三人がカッパとなって、カパゾンビの尻子玉を抜き、それをケッピに送信して欲望を消化するまで…