漫画
藤野と京本が行く道に、風花が散る。 そこに描かれているのが「雪」だ、ということを、おそらく最初は誰も疑わない。2人は「雪」のなかを歩いているのだし、暖かく着込んだその姿は、私たちに寒さという感覚さえ伝えてくる。 しかしよく見てほしい。そこに映…
※以下、『チェンソーマン』最終話までの重大なネタバレをふくみます。ご注意ください。
0.0. 死んだら映画館に行く? 人は死んだら映画館に行く(藤本タツキ『ファイアパンチ』第4巻 第35話より, 集英社, 2017) 人は死んだら映画館に行く。『ファイアパンチ』では、そういうことになっている。 実際、47話で死にかけたアグニは映画館に行くし、…
本記事では、『チェンソーマン』において銃の悪魔が出現した「1984年」という年(この年号が浮かび上がった経緯については後述)が意図的なものであると仮定した上で、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』と『チェンソーマン』との関連を考える。 具体的に…
Ⅰ. どこにも行けないモルモット 田舎のネズミと都会のネズミ どっちがいい?(『チェンソーマン5』より Ⓒ藤本タツキ,集英社) 「デンジ君はさ 田舎のネズミと都会のネズミ どっちがいい?」 ――夜の学校でそう尋ねる彼女は、どこか遠くを見つめていた。 数日…
グロい?意味不明?予測不能な『ファイアパンチ』を考察。その主題とは……?キーワードは「嘘」と「演技」、それから「なりたい自分」