野の百合、空の鳥

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漫画

2023年おもしろかったマンガ——2023年をふりかえって②

【アニメ編はこちら】 www.zaikakotoo.com マンガ 読み切り ジャンプ系 週刊少年ジャンプ ジャンプ+ その他 講談社系 週刊少年マガジン ヤングマガジン アフタヌーン なかよし その他 トーチweb コミックビーム スペリオール 成人向けコンテンツ さらにその…

【ルックバック 考察】不在と現前のあわいで——『ルックバック』におけるマンガ表現と支持体

藤野と京本が行く道に、風花が散る。 そこに描かれているのが「雪」だ、ということを、おそらく最初は誰も疑わない。2人は「雪」のなかを歩いているのだし、暖かく着込んだその姿は、私たちに寒さという感覚さえ伝えてくる。 しかしよく見てほしい。そこに映…

【チェンソーマン 考察】食べるという盲目 ――『チェンソーマン』における「イメージ」と「まなざし」――

※以下、『チェンソーマン』最終話までの重大なネタバレをふくみます。ご注意ください。

【ファイアパンチ考察】どうして人は死ぬと映画館に行くのか?

0.0. 死んだら映画館に行く? 人は死んだら映画館に行く(藤本タツキ『ファイアパンチ』第4巻 第35話より, 集英社, 2017) 人は死んだら映画館に行く。『ファイアパンチ』では、そういうことになっている。 実際、47話で死にかけたアグニは映画館に行くし、…

【チェンソーマン考察】『1984』(ジョージ・オーウェル)との関連について

本記事では、『チェンソーマン』において銃の悪魔が出現した「1984年」という年(この年号が浮かび上がった経緯については後述)が意図的なものであると仮定した上で、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』と『チェンソーマン』との関連を考える。 具体的に…

【チェンソーマン 考察】田舎のネズミと都会のネズミ、どこにも行けないモルモット

Ⅰ. どこにも行けないモルモット 田舎のネズミと都会のネズミ どっちがいい?(『チェンソーマン5』より Ⓒ藤本タツキ,集英社) 「デンジ君はさ 田舎のネズミと都会のネズミ どっちがいい?」 ――夜の学校でそう尋ねる彼女は、どこか遠くを見つめていた。 数日…

ファイアパンチ考察 ――嘘と演技となりたい自分――

グロい?意味不明?予測不能な『ファイアパンチ』を考察。その主題とは……?キーワードは「嘘」と「演技」、それから「なりたい自分」