野の百合、空の鳥

アニメ・漫画・文学を「読む」

<お知らせ>と<おまけ>

<お知らせ> 私事で多忙のため、9月と10月のブログ更新をお休みさせていただきます。 いつもお読みになってくださっている方々にはたいへん申し訳ありません。 ブログ更新の再開は11月の初旬を見込んでおります。 何かありましたら、Twitterの方でお知らせ…

『天気の子』は「幼稚」な物語なのか?④(完) なぜ物語には<子供らしさ>が描かれるのか?

Ⅴ. 『天気の子』は「幼稚」な物語なのか? ⅰ. まとめ ⅱ. <子供らしさ>とは何か ⅲ. なぜ物語には<子供らしさ>が描かれるのか? ⅳ. 『天気の子』は<超道徳>を要求しただろうか? ⅴ. 選択肢の「軽さ」 ⅵ. 誰かにとっての<超道徳> Ⅵ. おわりに ⅰ. 『まん…

『天気の子』は「幼稚」な物語なのか? ③「大丈夫」は無責任な言葉か?

Ⅳ. ③「大丈夫」は無責任な言葉か? ⅰ. 「大丈夫」は無責任な言葉か? ⅱ. 「悩むよりも『自分たちは次の世界に行くよ』って軽やかに飛びこえる若者たちの姿」 ⅲ. ラストシーンの苦悩と『大丈夫』という解決策 ⅳ. 『大丈夫』に込められた意味とは? ⅴ. 「僕た…

『天気の子』は「幼稚」な物語なのか? ②「世界なんて、最初から狂ってた」は免罪符か?

※この記事は①の続きです。①は↓ www.zaikakotoo.com Ⅲ. ②「世界なんて、最初から狂ってた」は免罪符か? ⅰ.「最大多数の最大幸福」か「一人の生命か」 ⅱ. 帆高は「世界なんてさ――どうせもともと狂ってんだから」を免罪符にしているか? ⅲ. 「決断・選択」を子…

『天気の子』は「幼稚」な物語なのか? ①「陽菜」を選ぶという選択は「幼稚」か?

『天気の子』は「幼稚」な物語なのでしょうか?本記事では①「陽菜」を選ぶという選択は「幼稚」か?②「世界なんて最初から狂ってた」は免罪符か?③「大丈夫」は無責任か?という3つの疑問から『天気の子』について考えていきたいと思います。

このアニメPVがすばらしい2019夏

一作品としてのアニメPV 遅くなってしまいましたが…… アニメPVそれ自体を評価しよう ちなみに前クールは…… 2019年夏シーズンのPV評価手順と基準 手順 基準(すべて10段階評価) このアニメPVがすばらしい2019夏 第4位 TVアニメ『とある科学の一方通行』番宣P…

僕らが普段つかっている「言葉」の無力さ、あるいは有力さについて

僕が見る「赤」は君の見る「青」? 逆転クオリア 違っているのは「色」だけじゃない……? 「痛み」は「言葉」で伝わらない? 箱の中のカブトムシ 「差延」 「言葉」の原罪 「言葉」では表しきれない関係性 「言葉」では表しきれない「人間」 "ほんとうの痛み"…

直井文人は「神」である。 ―Angel Beats! への答え④―

11. 直井文人は「神」である。 12. 「理不尽な人生」 13. 救済 14. 死の秘匿性 15. 『Angel Beats!』 への答え 16. 神への「賭け」 17. 「それでも町は廻っている」 11. 直井文人は「神」である。 こうして彼は三度「神」となる。 最初に書いたように、彼も…

直井文人は「神」である。 ―Angel Beats! への答え③―

7. 神の人間化 8. 「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになるのですか」 9. 人間の神化 10. 元型 (Archetyp) 7. 神の人間化 こうしてヤハウェは「人間化」することになる。 しかし彼も神だ。ただの人間にはなろうとしない。 彼がなった人間は、人間は人…

直井文人は「神」である。 ―Angel Beats! への答え②―

4. 『ヨブへの答え』 5. 神 (ヤハウェ) の無意識 6. 神をも超えるヨブ 7. 神の人間化 4. 『ヨブへの答え』 カール・グスタフ・ユング (1875-1961) はスイスの心理学者・精神科医で、「ユング心理学」の創始者として有名だ。 ユングは著書『ヨブへの答え』で…

直井文人は「神」である。 ―Angel Beats! への答え①―

1. 「僕が神だ」 2. 神は平等で、愛に満ちている? 3. 神は理不尽である 1. 「僕が神だ」 人は死ぬとどこへ行くのだろうか。 天国に行くのか、地獄に行くのか、はたまた死んだら何もないのか。古今東西、死後の世界はいろいろな作品で描かれてきた。そんな死…

ゼロから見直す『輪るピングドラム』②「蠍の火」とは何か【1~3話】

①↓より続き www.zaikakotoo.com Ⅳ. 「蠍の火」とは何か ⅰ. 『銀河鉄道の夜』における「蠍の火」 Ⅴ. 「子供」は『銀河鉄道の夜』をどう解釈したのか ⅰ. 「愛の話」 ⅱ. 自己犠牲を伴うほどの「愛」は「幸い」なのか? Ⅵ.「苹果」と「蠍の火」に残された解釈の…

ゼロから見直す『輪るピングドラム』①「苹果」とは何か【1~3話】

Ⅰ. はじめに 「僕は運命って言葉が嫌いだ」 (『輪るピングドラム』1st stationより) 運命って何でしょう? 高校生のとき、「職業召命観」というものを習いました。「職業召命観」というのは、ルターが宗教改革とともに唱えたもので、簡単に言うと、職業は…

【さらざんまい最終話】解釈・考察 「欲望の河」と「未来」――欲望をつなぐものだけが未来を手にできる――【後編】

<前編>からの続きです! www.zaikakotoo.com Q4. 「未来」が漏洩したことには何の意味があるの? A4. 「つながり」はしんどいけど、それでもなお「つながり」を選び取ったことを強調している a. 「つながり」ってしんどい b. 「サッカー」というモチーフの…

【さらざんまい最終話】解釈・考察 「絶望」と「独善的な欲望」と「つながり」――黒ケッピとは何か・カワウソとは何か―― 【前編】

Ⅰ. はじめに 『さらざんまい』が終わりました。 しかし、(少なからず同じような気持ちの方がいらっしゃると思うのですが)私はまだいろいろと消化しきれていません。 そこで今回は、最終話についてじっくりと解釈した上で、改めて『さらざんまい』という物…

【さらざんまい第十皿】感想・考察 ――星の王子さま・「欲望か愛か」・「つながり」とは何か―― <後編>

< ↓ 前編 ↓ > <前編>から日が開いてしまって申し訳ないです。 その間に見返して気づいたことも含めて、改めて十皿の感想・考察、やっていきたいと思います。 // Ⅴ. 真武の「欲望の対象」は何だったのか ⅰ. 「欲望の対象」=「ツナガリ」 ⅱ. 「ハコハコ♪…

【さらざんまい第十皿】感想・考察 ――玲央と真武・Twitter消失の意味・カワウソとは何か―― <前編>

Ⅰ. はじめに 真武は結局、尻子玉を抜かれて「縁の外」に行ってしまったのでしょうか? もし真武が「縁の外」に行ってしまっていたとしたら、普通に死んだだけ(?)の玲央とは離れ離れになってしまわないでしょうか? 普段はあまりこういう試みはしないので…

【さらざんまい考察】㋐の意味について【随時更新】

Ⅰ. ㋐=「対象a」に近い意味合い 『さらざんまい』第一皿より(©イクニラッパー/シリコマンダーズ) ㋐って何なんでしょう? 私は今のところ、㋐はフランスの精神分析家ジャック=ラカンが用いた「対象a(たいしょうアー)」(※ "a"はフランス語で「アー」と読…

【さらざんまい考察】時系列のまとめと疑問点【随時更新】

Ⅰ. 時系列まとめ ⅰ. 結論 さらざんまい時系列まとめver2.1 結論から先に言うと、時系列は上の画像のようにまとめられます。 ただし、これはあくまで可能性が一番高いものを、一番一貫性のある形にまとめたものに過ぎません。 あくまで仮定の表であることに十…

「つながり」の話 (3.11を起点に)~『さらざんまい』のメッセージを受け取るために~ <後編>

<前編> www.zaikakotoo.com <後編>では、「つながり」の切断、そしてつながりたいけどつながりたくないというアンヴィバレントな欲望について確認し、『さらざんまい』ではどのような欲望が描かれるのかという問題の核心に迫っていきます。 Ⅶ. つながり…

「つながり」の話 (3.11を起点に)~『さらざんまい』のメッセージを受け取るために~ <前編>

Ⅰ. 「つながりたい」という欲望 ――震災を経て―― 『さらざんまい』の監督である幾原邦彦氏(以下「幾原監督」)は、『読売新聞』の記事で以下のように述べています。 「阪神大震災と東日本大震災、その後も続いた地域災害を経て、僕らは損なわれる物質の無常…

さらざんまい考察④村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』との類似性

Ⅰ. はじめに 『さらざんまい』と村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(以下『多崎つくる』と表記する)って似てるなと思いました。 どういうところが似ているのかというと、 ヒロインの名前(「吾妻サラ」∽「木本沙羅」) 登場人物たち…

芥川龍之介『河童』読解・解説

Ⅰ. はじめに ⅰ. 「狂人」の罵言 ――「出て行け! この悪党めが! 貴様も莫迦な、嫉妬深い、わいせつな、ずうずうしい、うぬ惚れきった、残酷な、虫の善い動物なんだろう。出て行け! この悪党めが!」 (芥川龍之介『河童・或阿呆の一生』(新潮文庫, 1968) p6…

さらざんまい考察番外編「命の分岐のライン」について

はじめに これは私が見聞きした「存在できる命と存在できない命の分岐のライン」という幾原監督の言葉だと思われる文言に関して考えたことをまとめたものです。 つまり、まず初めに承知しておいていただきたいのは、この記事が伝聞をもとにして書かれた不確…

さらざんまい考察③「吾妻橋」から読み解く『さらざんまい』――吾妻橋と吾妻サラ――

本記事では吾妻サラについての情報を整理した上で、前回まとめた吾妻橋に関する情報を利用して、吾妻橋と吾妻サラの関連について考えていきます。

さらざんまい考察②「吾妻橋」から読み解く『さらざんまい』――吾妻橋の歴史と由来・「巴」に関する試論――

この記事では、作品のキープレイスの一つとなっている「吾妻橋」から、『さらざんまい』について考察していきます。 概略を述べると、まず初めに現実の吾妻橋に関する事実をまとめ、そこから「吾妻橋」に関連すると考えられる「吾妻サラ」について考察してい…

さらざんまい考察①行為としての<さらざんまい>――精神分析・解脱・ユング的世界観――

Ⅰ. はじめに この記事では、一連の行為としての「さらざんまい」について考察していきます。 一連の行為としての「さらざんまい」とは、ここでは一稀・悠・燕太の三人がカッパとなって、カパゾンビの尻子玉を抜き、それをケッピに送信して欲望を消化するまで…

俺ガイル 第1章(1~6巻) 考察 ――ようやく彼ら彼女らはお互いを「知る」―― <後編>

<前編>においては、「知る」ということについて、特に八幡と由比ヶ浜の関係から、彼らが互いをどのように「知って」いったのかを見てきた。 <後編>においては、さらに八幡と雪乃の関係から「知る」ということを見つめ、『俺ガイル』第1章で「知る」とい…

俺ガイル 第1章(1~6巻) 考察 ――ようやく彼ら彼女らはお互いを「知る」――<前編>

『俺ガイル』第1章(1~6巻)((公式で割り振られた区分ではない。本考察(および本ブログ)では、便宜上1~6巻を第1章と呼ぶ。))は、彼ら彼女らがお互いを「知り」、スタートラインに立つまでの物語だ。 そこで重要となっているのは「知る」ということだ。 …

このアニメPVがすばらしい2019春

アニメPVは面白さの指標になるか? アニメPVはそのアニメの面白さの指標になるでしょうか? PVが面白ければ面白い方がそのアニメは面白く、PVが面白くなければ面白くないほどそのアニメは面白くないということがあったりしないでしょうか……? そんなことを考…