野の百合、空の鳥

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話数単位で選ぶ、2024年TVアニメ10選

「話数単位で選ぶ、2024年TVアニメ10選」に初めて参加させていただきます。

さしあたってのルールは以下の通りです。

■「話数単位で選ぶ、2024年TVアニメ10選」ルール

  • 2024年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
  • 1作品につき上限1話。
  • 順位は付けない。

その他の詳しいルールや過去の集計結果などは主催の「aninado」さまのサイトをご覧ください。

aninado.com

 

 

 

(※目次のナンバリングは順位ではありません)

01. 『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』第10話「シルファの剣」

『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』第10話より(©謙虚なサークル・講談社/「第七王子」製作委員会)
  • 演出・絵コンテ:玉村仁
  • アクション演出・絵コンテ:アベユーイチ*1

『第七王子』は、秋田県に本社がある制作スタジオ「つむぎ秋田アニメLab」が制作した2024年夏アニメ。本来ゲーム制作に使用する「Unreal Engine」というソフトウェア(ゲームエンジン)を駆使した「アニマティクス」ベースの工程でも話題となった。

この制作工程の革新については、ぜひ「つむぎ秋田アニメLab」櫻井司社長のロングインタビューをお読みいただきたい。

要約すれば、Vコンテに近いものをみんなで共有して3Dベースで作ってゆくことが新工程の肝であり、ただし3Dも加工可能なため、アニメ的な「嘘」も自由につき放題、という話。この工程のおかげで、余計な工程数を増やすことなく、「安定」したクオリティの維持が可能になっているという(実際「安定」していたと感じる)。

これに関してたとえば、第10話の以下のようなシーンには感服した。

『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』第10話より(©謙虚なサークル・講談社/「第七王子」製作委員会)

カメラを大胆に、ぐるっと回す綺麗な回り込み。メイド剣士・シルファが挑む一騎打ち直前の「見栄を切る」ような予備動作。しかしそこに虚栄はなく、たしかな実力に裏打ちされた自信さえ醸す——。

むろん、こうした演出は先に述べたような工程を採らなくても可能ではあるし、そもそも上のシーンだって、キャラ作画がたいへんに巧みであることは間違いない。しかしより「安定」した背景の挙動と、キャラ配置のさいの巧みな空間把握力は、独自の工程に依るものと推察される。

 

*

 

本作は全編にわたり、本当に「安定」したアニメーションづくりになっている印象で、第10話はとりわけ、クール終盤でもこれだけ魅せてくれるのか、と思うほど、本作の「安定」感とそれに甘んじない気概を存分に味わった回だったので選出した。

最初に引用した4枚の通り、2D作画も撮影や特効などの仕事も相まって、たいへん綺麗に仕上がっている。デザインもとても可愛い、言ってみれば、“アニメっぽい“ 絵作りになっている。コミカルな作画がおりおりに見られるのも愉しい。

10話は物語的にも、これまでも強さの片鱗を見せてきたシルファが、いよいよ本領発揮、といった次第で、もちろん本作は、主人公・第七王子の “魔法無双” が最大の見どころのひとつではあるのだけれど——とりわけ魔法の撮影処理や特殊効果には目を見張るものがある——、プリミティブな殺陣(たて)の芝居、剣戟も、「安定」したこのアニメならではの仕上がりになっているのではないかと感じた。

主人公が無双してゆく作品群のなかでも——と言って、周りのキャラクターたちの活躍が見れないわけでもない——、とくにお気に入りの一作。

 

 

 

02. 『小市民シリーズ』第2話「おいしいココアの作り方」

『小市民シリーズ』第2話より(©米澤穂信・東京創元社/小市民シリーズ製作委員会)
  • 脚本:大野敏哉
  • 絵コンテ・演出:武内宣之
  • 演出補佐:高野やよい
  • 総作画監督:具志堅眞由(Production I.G新潟)
  • 作画監督:西島央桐、豊田暁子、杭州神在動画、Animore、たけうちのぶゆき*2

詳細は拙ブログの上の記事に譲る。

この記事のなかでは、実際に映像を引用しながら、アニメーションの快楽がどこにあるか、ということを追求している。

端的に言えばそれは、「リアル」を超えた「リアリティ」にある。つまり、物理的・写実的現実が「リアル」だとすれば、アニメーションが感じさせる「リアリティ」は、「リアル」よりも “もっともらしい” と感じさせるような運動・快楽である、と説いている。現実よりも気持ちの良い運動を、アニメーションは呈示しうる、ということだ。

そしてこのアニメーション的快楽をふんだんに感じさせるのが、『小市民シリーズ』第2話だった、というわけだ。その快楽を感じさせるシーンは、たとえば以下のようなアニメーションにあった。

『小市民シリーズ』第2話より(©米澤穂信・東京創元社/小市民シリーズ製作委員会)

まずもってこれらが一流のアニメーションであることは疑いようがない。注がれる牛乳はもちろんのこと、ココアと牛乳が混ざるときの流体の表現、牛乳パックの振動やコップの運動、果てはちらりと垣間見える手の運動まで、どれをとっても「これしかない!」と思わせるアニメーションだ。

これはもちろん、 “リアル” をよくよく観察し、 “リアル” にかぎりなく近づけようとする、絶え間ない技術的収斂の結果ではあるのだろう。それはたとえば、3コマ打ち(1秒あたり24フレームに対し、3フレームごとに1枚の絵を入れること)が基本である(日本のTVアニメーションの)枠組みのなかで、2コマ打ち(2フレームごとに1枚)でこのシーンを描いていることからも察せられる。

しかし筆者がここに感じるのは、 “リアル” というより、それを上回るような “もっともらしさ”を感じさせる “リアリティ” なのだ。ありのままの現実を写し取っていることの快楽というよりも、一番もっともらしく見える画面がちょうど切り取られ、デザインされ、描かれていることの快楽なのだ。

 

*

 

それがつまり、アニメーション的快楽だ。

しかしもちろん、アニメーションの快楽はすべて上記のような “リアリティ” にのみ収まる、というわけでもあるまい。このアニメーションの多様な快楽の在りようを、手を変え品を変え、さまざまな手練手管で表現しているのが、武内宣之が絵コンテ・演出を務めるこの『小市民シリーズ』第2話なのだ。

拙稿と併せて、ぜひ見てもらいたい逸品。

 

 

 

03. 『負けヒロインが多すぎる!』第5話「朝雲千早は惑わせる」

『負けヒロインが多すぎる!』第5話より(©雨森たきび/小学館/マケイン応援委員会)
  • 脚本:横谷昌宏
  • 絵コンテ:小原正和
  • 演出:河野亜矢子
  • 総作画監督:川上哲也
  • 作画監督:滝山真哲、相音光、茂木眞一*3

こちらについても記事を書いたので詳しくはそちらを参照されたい。

『負けイン』という作品自体まずもって、平均的に整ったアニメーションを呈示していたと思う。なかでもとりわけ、第5話は、上の4枚に見られるように、さまざまな工夫を凝らした画作りをしており、そのアニメーションの豊かさでもって選出した。

もちろん画もうまい。わけても第5話は、遠景~中景のうまさが光っていたように思う。お気に入りは次のショット。

『負けヒロインが多すぎる!』第5話より(©雨森たきび/小学館/マケイン応援委員会)

ごく基本的なこととして、アニメーションにおいてどこまで顔を書き込むかということは、カメラとの距離や見せたい表情などによって、繊細なコントロールが求められる(はずである)。

アサミ(左の人物)が桂樹(右の人物)を撫でた後に抱きしめるこのシーンは、おそらく近景では感傷的すぎる。中景で、ピアノ越しに “遠く” から寄り添うようにして撮る。だからこのときには、顔のパーツのディティールよりも、撫でる、抱きしめるという、友愛のためのその動作のほうが重要になる。そういう意図で、このようなレイアウトが採られたと推察する。

むろん、構図そのものが気持ちよく、あえて広角に、パースが透けるようなこの構図自体、スリリングだと思う。いくつもの透明線に囲まれたこの構図のなかで、ひとつの友愛が育まれる。そういう絵作り自体に心遣いがある。

 

*

 

あるいはもっと分かりやすい遊びもあった。

『負けヒロインが多すぎる!』第5話「朝雲千早は惑わせる」より(©雨森たきび/小学館/マケイン応援委員会)

鏡を使った少しトリッキーな構図からズームすると、千早の手が「COUNTRY」の文字を絶妙に隠し、「NTR」を浮かび上がらせる。

なんてことない洒落だが、何もしないより気は利いている。こういう遊びの余白が第5話にはたくさんあった。この意味で、第5話はおもちゃ箱のような愉しみがあると思うので、ぜひ見てほしい。

 

 

 

04. 『杖と剣のウィストリア』第7話「十二の氷秘法」

『杖と剣のウィストリア』第7話より(©大森藤ノ・青井 聖・講談社/「杖と剣のウィストリア」製作委員会)
  • 絵コンテ・演出:臼井貴彦
  • 演出協力:椅子汰、安部保仁*4

大好きなアニメ。髪の毛を過度に細分化せずに程よい毛束感を保ち、シャープな輪郭を保ったキャラデザが、まずもってとても好み(キャラクターデザイン:小野早香)。それでいて非常に洗練された色彩設計(色彩設計:中野尚美)や壮麗な美術(美術監督:前田有紀、美術監修:東潤一)、ファンタジーアクションを貫く音楽(音楽:林ゆうき)が、調和した世界観を保全していた。

監督・シリーズ構成・脚本を務めるのは𠮷原達矢で、アクションに定評のある氏ならではの爽快さもある。ただし本作はほかにも名だたるアニメーターたちが招待されている。だから実のところ、土上いつき回(第九話「実習開始」)、𠮷原達也監督回(第十話「ボクたちのユメ」)、田中宏紀回(第十一話「臆病者の真名」)なども並ぶなかでどの話数を選出するか、非常に迷った(冒頭で述べたように「話数単位で選ぶ~」においてはルールにより1作品1話しか選出できないため)。
そこでこの第7話、臼井貴彦回を選んだのは、以下のような一幕があったからだ。

今話の中盤、主人公・ウィルが敵のユリウスに猛攻を仕掛けるシーン。上記のカットに収まらず、この前後に、疑似的にワンカットの長回しに見えるような、非常に見応えのあるアクションシーンが1分以上もつづく。

これは大変なことで、確実に今話のキメとなるようなシーンだったと思うし、実際このシーンでは主題歌も流れ、明らかにブチ上げようという気概も感じた。

したがって当該シーンはもちろん、臼井一人の名に帰せられる性質のものではなく、今話に取り組んだスタッフの綜合的な仕事と言うべきだろうが、実情はともかく、とりわけアクションを肝とする『杖と剣のウィストリア』の真骨頂を見た気がしたので選出した。

とにかくアニメ好きは全編絶対に見たほうがいいアニメ。付言しておけば、最初に引用した画像からも察せる、表情豊かなエルファリアの描き分けまた、作画が気概を見せる要因になっており、見どころになっている。

たとえばEDはその優れた証左となっている。

 

 

 

 

05. 『VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた』第8話

『VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた』第8話より(© 七斗七・塩かずのこ/KADOKAWA/「ぶいでん」製作委員会)
  • 脚本:赤尾でこ
  • 絵コンテ:朝岡卓矢
  • 演出:藏本穂高
  • 作画監督:ごとうじゅんじ/神田 岳/岩崎令奈/北島勇樹/岩立秀之/王 家涵(CAT)*5

異常アニメーション。

内容面に関して敬遠している人があるのは理解できるが、奇想天外な、しかしたいへん優れた演出が(とりわけ朝岡卓矢監督回において)連発されるので、ぜひ見てほしい。その手数の多さはおそらく、最初に引用した画像のバラエティ豊かさからも察せられると思う。

第8話においては、たとえばほかに、以下のようなシーン。

『VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた』第8話より(© 七斗七・塩かずのこ/KADOKAWA/「ぶいでん」製作委員会)

「淡雪ちゃん」が好きだったと嘆く視聴者povに “見せかけて” カメラが回転し、視聴者をわざわざ映した後で、カメラがさらに回って淡雪にカメラを合わせると衣装が(「シュワちゃん」ではなく)「淡雪ちゃん」に “成る”、本当に視聴者povに “成って” しまうのだ。

加えて本作では、この世界へのまなざしにおいて、観賞者がけっして「中の人」(の「キャラクター」)をまなざすことはできず、つねにライバーの在りようと、当のライバーのまなざししか借りられない設定があるが、これが本当に終始効いていたと思う。

アニメーションが好きなら、とにかく何でも喰らってみせてほしい。

 

 

 

06. 『デリコズ・ナーサリー』第2話「渦巻く陰謀と育児」

『デリコズ・ナーサリー』第2話より(©末満健一/デリコズ・ナーサリー製作委員会)
  • 脚本:末満健一
  • 絵コンテ・演出:錦織博
  • キャラ原図・総作画監督:伊東葉子
  • 作画監督:西川絵奈、大野 勉、大川重子、川西才治*6

『デリコズ・ナーサリー』は、引用した画像からも分かるように、その豪華絢爛な美術、色彩、撮影、CGが非常に印象的だったアニメ(美術監督 - 泉健太郎、色彩設計 - 木村美保、撮影監督 - 高橋昭裕、CGディレクター - 稲川博之)。

もちろん、そのような舞台設定に見合ったキャラクター造形も魅力のひとつで、少し滲んだような主線の質感やハイライトのほとんどないマットな塗りは、このアニメのルックに調和をもたらしている。

少し写真素材のような質感もある背景と調度品たちは、実のところ大きな画面で見るとかなりガビガビに見えてしまったり、3Dモデルの質感がまんま露見していたりすることがなくはないのだが、印象派絵画のごとく、少し離れて見たり、スマホの画面で見たりすると不思議と壮麗な世界をそこに映し出す。

こうした視聴環境の在りようについて、制作する側が考慮していないはずがないので、こちら側も『デリコズ・ナーサリー』に併せた視聴法を採らねば無作法というもの。

ともかく、このような不思議な視聴体験の提供と、やはり優美な絵づくりに感銘を受け、選出した。

付言すればその重厚な背景に併せたキャラクターのレイアウトもまた、かなり工夫が凝らされている。引用した画像だけでも、脳内でレイヤーを解体し、それぞれの要素を配置してコンポジションしてみれば、その巧妙さが感じ取れるだろう。

 

 

 

07. 『〈物語〉シリーズ オフ&モンスターズシーズン』第8話「業物語 あせろらボナペティ 其ノ貮」

『〈物語〉シリーズ オフ&モンスターズシーズン』第8話より(©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト)
  • 脚本:大嶋実句
  • 絵コンテ:東冨耶子・青柳隆平*7

「業物語」は明らかに事件だった、というより、『オフ&モンスターズシーズン』が全般的にひとつの出来事だったという所感を私は抱くけれど、ほんとうのことは分からないので、詳しいことは詳しい人に譲る。

とにもかくにも、「業物語」の一連のアニメーションに感動したことは事実である。明らかに異様な建築物、いつもながらの細かいカットイン、新たな文字演出、さまざまな文脈を一心に背負った吸血鬼譚——。

いまだに何を言えばいいか、やはり語るより見てもらったほうがいいのではと思いつつ、話題にしたショットを引用しつつ、当時の感想も引いてみる。

『〈物語〉シリーズ オフ&モンスターズシーズン』第8話より(©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト)

「私から何を言うべくもないけれど、終盤の現代への場転のさい、紅い航法灯だけが光った飛行機のシルエット→そのシルエットを背にして映る石畳の街と街頭→青信号→踏切の警報灯というつなぎは、(時間経過を示すことはもちろんのこと)あまりに象徴的な演出の連続に思え、笑いが止まらなかった。」

「シネスコがほどける第一ショットが、「夜の雲は高く映る」ショットである、というのも、あまりにクレバーすぎる。さながら “夜が明けてもなお夜” とでも言うべきショットの連続に、驚くほかない。」

「蛇足かもしれないが、「“高く” 映る」と強調しておくべきだっただろうか。つまり、シネスコが解けて画面が “広く” なることと雲が “高く” 映ることの調和、そして夜がより “深く” 映えることをたったひとつの冴えたショットでやってのけたと謂いたかった。夜は夜より深し。」

などなど、滔々と言葉を重ねている……。自分が書いたことなので分からなくはないが、なんかこう、もっとあるだろう、という感じではある。つまりもっと前半部に、ほんとうは魅力がある。

と言いつつ、象徴的モチーフについての補足を愚かにもここで施したい。

『〈物語〉シリーズ オフ&モンスターズシーズン』第8話より(©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト)

たとえば今話で反復されるモチーフは、明らかに球体である。わけても「目」というのは、シャフトアニメにおいて絶対に欠かすことのできないモチーフであり、今話でも漏れなく諸所で効果を発揮している。

今話に象徴的なのは、それが吸血鬼の象徴たる月と呼応して反復されることだ。もちろんそこに意味を見出すこともできようが、まずもって、この球体をどうやって配置すればショットとして効果的か、ということの最適解が前面に打ち出されたショットばかりが並んでいる。そのさまが象徴的なのだ。

だからまったく関係のないシーンにすら、目のモチーフが——あるいは無意識的に?——反復される。引用した画像の右上がそれに当たるが、こうして並べると、それが目に、あるいは閉じた瞼にはっきりと見えるのではないだろうか。

今話を通して見ているだけでは、このことに気づくのは難しい。前後に眼を含むショットはあからさまにはないし、「瞼」のシーンの内実は「目」とは何の関係もないからだ。

繰返すが、ここに意味づけをすることも十分可能だが、この意識的/無意識的な象徴的モチーフの反復を、そしてその密かに配されたショット群の美麗さを、まずは讃えたい。

 

 

 

08. 『義妹生活』第9話「義妹と日記」

『義妹生活』第9話より(©三河ごーすと・Hiten/KADOKAWA/義妹生活製作委員会)
  • 脚本:広田光毅
  • 絵コンテ:上野壮大
  • 演出:上野壮大/小林美月
  • 総作画監督:仁井 学*8

かなり入念なツイートをしたので、詳細は上記のツイートを参照されたい。

要するに、監督の色が余すことなく出た回だったと思われ、というのはつまり、象徴的なパンチマーク(映画のフィルム交換を知らせるための穴)の演出しかり、文字を画面上に配置してしまう演出しかり、このアニメが「フィルム」としての質感を大事に抱えているという話だが、ここに『義妹生活』の逆説的な魅力がある。

あるとき、かなり年長の方(60歳以上)に『義妹生活』のアニメの感想を聞く機会があり(どんな機会?)、そのときその方は、「村上春樹」の名前を口にされた。なるほど、と思わず膝を打った。

この「フィルム」と「村上春樹」が意味するのは、ある種のスノッブとノスタルジー、それからほんの少しの奇跡みたいなもので、アニメ『義妹生活』は、奇跡のほうに振れたアニメーションだと思ったからこれを選んだ(ちなみに、同時期に放映されていた『ふたきれ』のスノッブはきちんとスノビズムだった)。

言い方を変えれば、このアニメーションはアニメーションが必要のないはずのことをあえてアニメーションにアダプテーションしており、しかしそれこそがアニメーションの可能性を信頼してのことだと好意的に受け取ったので、私はこれを選んだ。

基本的に、私はアニメーションをすべて面白くないと思って見ているが、本当に楽しい季節だったと思う。

ちなみに、第8話「返事とホットミルク」とこの第9話でどちらを選ぶかとても迷ったし、なんならほかの話もどれも捨てがたかったが、さすがにまっすぐ第9話を選んだ。第8話については記事も書いているので、そちらも参照されたい。

 

 

 

09. 『パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき』第1話「その出会い、実は再会につき」

『パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき』第1話より(©影茸・鳴海みわ/双葉社・「パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき」製作委員会 2024)
  • 脚本:砂山蔵澄
  • 絵コンテ:大西景介
  • 演出:大西景介
  • 総作画監督:水野友美子
  • 作画監督:國井実可子、丸山楓、山内玲奈、樋口純一、小野 晃、櫻井拓郎*9

『バカテス』などを彷彿とさせるようなパステルな色変え演出が、この話でもっとも大切と言ってよい主人公の気持ちの変化に併せてほんの一瞬差し挟まれ、シビれた。やはり特殊な演出は、ここぞというときにこそ映える。

リッチなアニメたちが目立つなか、一見するだけでは見分けのつかない異世界ものが台頭するには、もろもろのパワーが必要である。無限に量産されるそうしたアニメのなかに、こういった工夫を見つけることが、ささやかな希望かもしれない。

ちなみに本作は、小野晃が一人絵コンテ・演出・作画を務めるEDも、冒頭のシャープな寝顔から入って主人公のひたむきな努力を撮った小品で好感が持てた。背景と色指定/検査、撮影、制作進行が、それぞれ一人ずつ担当し、少数精鋭といった趣。撮影(村上優作)も良い。

www.youtube.com

 

 

 

10. 『ネガポジアングラー』第10話「常宏と貴明」

『ネガポジアングラー』第10話より(©NEGAPOSI-ANGLER PROJECT)
  • 脚本:鈴木智尋
  • 絵コンテ:川尻健太郎、栗田新一
  • 演出:川尻健太郎
  • 演出補佐:尾形光洋
  • 総作画監督:谷口宏美
  • 作画監督:栗田新一*10

シリーズにとって非常に重要な回であり、常宏と貴明、二人の主人公——ネガポジ——が相克する在りようを、「釣り」という絶妙な距離感を保たせる道具立てを利用し、二人が住む部屋で巧みな芝居とともに描いたため選出した。

『ネガポジアングラー』は、そもそも全編にわたってたいへん優れていると思うので、基本的にはすべてを見てほしい。「釣り」という話のモチーフを初め、ストーリーの面でも優れた小品といった様相を呈している。「釣り」にこだわった釣り具や魚の作画、2D/3Dワークスもたいへん見事だったと思う。

「水辺」というロケーションもたいへんに効いており、「水」というのはそれだけで交流のモチーフになると思われる。さらにそこに、「釣り」という関係性が介在することで、個々がほんとうに絶妙な距離感を演出していた。

それから、アイスという身体可変キャラクターが、アニメーション的身体を信じさせる道具立てにもなっていて、非常に好感が持てた。実のところリアリティラインはけっこう高いはずなのに、アイスのような可変キャラ、あるいは藤代のようなカートゥーンちっくなキャラクターが「リアリティ」を軽々と乗り越えてゆくさまは、たいへんに爽快だった。

 

 

 

選外候補

惜しくも選外となった候補には以下のようなものがある。

(あえて言えば、たとえば『逃げ上手の若君』や『葬送のフリーレン』、『ダンジョン飯』、『響け!ユーフォニアム3』、『ダンダダン』それぞれの全話、それから『呪術廻戦』や『無職転生 Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~ 第2クール』、『ぷにるはかわいいスライム』のいくらかの話数は、ふつうに見ているはずだし、ふつうに見たほうがよいと思うので選ばなかった。)

  • 『烏は主を選ばない』第12話「后選び」
  • 『Unnamed Memory』第1話「呪いの言葉と青い塔」
  • 『時光代理人 -LINK CLICK- Ⅱ』第12話「いいお兄ちゃんがいないと生きられない」
  • 『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる』第3話「答え」
  • 『バーテンダー 神のグラス』第12話「たいせつな仕事」
  • 『シャドウバースF』第76話「世界のために、あなたを倒します!」
  • 『メタリックルージュ』第2話「逃走迷路」
  • 『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』第11話「合宿に行こう!」
  • 『黒執事 -寄宿学校編-』第1話「その執事、登校」
  • 『ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する』第1話「私を殺した婚約者」
  • 『WIND BREAKER』第8話「思いを継いで」
  • 『ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで』第6話「人類最強 シビト・ガートランド」
  • 『戦国妖狐 千魔混沌編』第6話「雲の上まで」
  • 『精霊幻想記2』第4話「おかえりなさい」
  • 『嘆きの亡霊は引退したい』第4話「謎の仮面は戦闘したい」
  • 『魔王2099』第11話「女神降ろし」

以上。

アニメって多すぎるかもしれない。

 

話数単位でないベストアニメ↓

www.zaikakotoo.com

昨年↓

www.zaikakotoo.com

2025年の各ベスト↓

*1:Cf. 第10話 シルファの剣 | 転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます 公式サイト .メインスタッフ「原作 - 謙虚なサークル/キャラクター原案 - メル。/コミカライズ - 石沢庸介/監督・演出 - 玉村仁/シリーズ構成・美術管理 - 戸塚直樹/脚本 - ナズカトキオ/キャラクターデザイン - 錦織成/アクション監督 - アベユーイチ/色彩設計 - 小野真依/撮影監督・編集 - 矢野雄木/音響監督 - 田中亮/音響効果 - 白石結果/音響制作 - Ai Addiction/音楽 - R・O・N/音楽制作 - ランティス/音楽プロデューサー - 小野可織/チーフプロデューサー - 菊川裕之(第1-5話)→阿部研吾(第6話-)、秋田規行、黒須信彦、重松暖、伊藤直子/プロデューサー - 阿部研吾(第1-5話)→小田誠(第6話-)、若林寛和、福田浩平(第1-7話)→山川典夫(第8話-)、土橋陣、山﨑智恵子/アニメーションプロデューサー - 櫻井司/アニメーション制作 - つむぎ秋田アニメLab/製作 - 「第七王子」製作委員会」(転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます - Wikipedia 参照)。

*2:Cf. あらすじ -TVアニメ『小市民シリーズ』公式サイト- . メインスタッフ「原作 - 米澤穂信 『春期限定いちごタルト事件』『夏期限定トロピカルパフェ事件』(創元推理文庫 刊)監督 - 神戸守、シリーズ構成 - 大野敏哉、キャラクターデザイン - 斎藤敦史、サブキャラクターデザイン・総作画監督 - 具志堅眞由、プロップデザイン - 田中萌、石川奨士、色彩設計 - 秋元由紀、美術監督 - 伊藤聖、美術設定 - 青木智由紀、イノセユキエ、撮影監督 - 塩川智幸、CGディレクター - 越田祐史、編集 - 松原理恵、音響監督 - 清水勝則、音響効果 - 八十正太、音楽 - 小畑貴裕、ラインプロデューサー - 荒尾匠、プロデューサー - 遠藤一樹、日野亮、曹聡、神原佳史、林義晃、外川明宏、沢田はるか、松井優子、小澤文啓、水谷圭、アニメーションプロデューサー - 渡部正和、アニメーション制作 - ラパントラック、製作 - 小市民シリーズ製作委員会」(〈小市民〉シリーズ - Wikipedia 参照)。

*3:Cf. STORY | TVアニメ「負けヒロインが多すぎる!」公式サイト .スタッフ「原作 - 雨森たきび、キャラクター原案 - いみぎむる、監督 - 北村翔太郎、シリーズ構成・脚本 - 横谷昌宏、キャラクターデザイン - 川上哲也、メインアニメーター - 三浦琢光、竹田茜、原島未来、ビジュアルボード - 大谷藍生、有原慧悟、プロップデザイン - 木藤貴之、色彩設計 - 村上彩夏、美術設定 - 平義樹弥、美術監督 - 畠山佑貴、3D監督 - 栗林裕紀、撮影監督 - 宮脇洋平、編集 - 廣瀬清志、音響監督 - 吉田光平、音響効果 - 長谷川卓也、音楽 - うたたね歌菜、音楽制作 - アニプレックス、音楽プロデューサー - 山内真治、プロデューサー - 神宮司学、井上めぐみ、大和田智之、長嶺利江子、アニメーションプロデューサー - 菊池雄一郎、アニメーション制作 - A-1 Pictures、製作 - マケイン応援委員会(アニプレックス、BS11、TOKYO MX、読売テレビ、グッドスマイルカンパニー、コンテンツシード、JR東海エージェンシー)」(負けヒロインが多すぎる! - Wikipedia 参照)。

*4:Cf. EPISODES|TVアニメ『杖と剣のウィストリア』公式サイト . スタッフ「原作 - 大森藤ノ、漫画 - 青井聖、監督・シリーズ構成・脚本 - 𠮷原達矢、キャラクターデザイン・総作画監督 - 小野早香、モンスターデザイン - 須永賴太、原田喜朗、あきづきりょう、プロップデザイン - あきづきりょう、色彩設計 - 中野尚美、美術監督 - 前田有紀、美術監修 - 東潤一、美術設定 - スタジオイースター(深井亮太、金斌達、鈴木亮輔、伊藤瞳)、撮影監督 - 大槻綾子、CG監督 - 安部保仁、編集 - 吉武将人、音響監督 - 森下広人、音響 - 神南スタジオ、音楽 - 林ゆうき、音楽プロデュース - ランティス、音楽プロデューサー - 十河大和、音楽ディレクター - 白取瑞樹、プロデューサー - 青山勝樹、大和雅恵、須藤孝太郎、アニメーションプロデューサー - 峯岸功、森永千絵子、アニメーション制作 - アクタス×バンダイナムコピクチャーズ、製作 - 「杖と剣のウィストリア」製作委員会(バンダイナムコフィルムワークス、講談社、TBSテレビ、クランチロール、バンダイナムコミュージックライブ)」(杖と剣のウィストリア - Wikipedia 参照)。

*5:Cf. STORY -TVアニメ『VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた』公式サイト- . スタッフ「原作 - 七斗七、原作イラスト - 塩かずのこ、監督 - 朝岡卓矢、シリーズ構成 - 赤尾でこ、キャラクターデザイン・総作画監督 - 岩崎令奈、メインアニメーター - ごとうじゅんじ、プロップデザイン - 宮脇謙史、美術設定・美術監督 - 平柳悟、美術監督 - 飯島由樹子(第11話)、色彩設計 - 松山愛子、2Dワークス - 越阪部ワタル、モニターワークス - 長谷川朋史、3DCG監督 - 廣住茂徳、撮影監督 - 尾形拓哉、編集 - 肥田文、Live2Dディレクション - Live2DJUKU、Live2Dモーショントラッカー - nizima LIVE、音響監督 - 森下広人、音響制作 - スタジオマウス、音楽 - 鈴木真人、半田翼、音楽制作 - KADOKAWA、音楽プロデューサー - 水鳥智栄子、プロデューサー - 元長聡、小野僚也、外川明宏、鈴木健、西前朱加、アニメーションプロデューサー - 河井敬介、アニメーション制作 - ティー・エヌ・ケー、製作 - 「ぶいでん」製作委員会(KADOKAWA、ムービック、BS日本、DAXEL、エー・ティー・エックス、スタジオマウス、KBS京都)」(VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた - Wikipedia 参照)。

*6:Cf. EPISODE | TRUMPシリーズTVアニメ『デリコズ・ナーサリー』公式サイト. スタッフ「原作・シリーズ構成・脚本 - 末満健一、監督 - 錦織博、キャラクター原案 - 荒野、キャラクターデザイン - 伊東葉子、美術監督 - 泉健太郎、色彩設計 - 木村美保、撮影監督 - 高橋昭裕、CGディレクター - 稲川博之、編集 - 西山茂(REAL-T)、音響監督 - 濱野高年、音楽 - 和田俊輔、音楽制作 - アニプレックス、音楽プロデューサー - 山内真治、プロデューサー - 柴田岬、加藤美秋、長嶺利江子、大和田智之、松倉友二、八重樫里美、アニメーション制作プロデューサー - 松尾洸甫、アニメーション制作 - J.C.STAFF、製作 - デリコズ・ナーサリー製作委員会(アニプレックス、ワタナベエンターテインメント、TOKYO MX、BS11、J.C.STAFF、コンテンツシード)」(TRUMPシリーズ - Wikipedia参照)。

*7:Cf. 〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン|公式サイト . ただし、Abema版のクレジットと公式サイトのクレジットにも齟齬があるので、自分が視聴したAbema版クレジットを記載している。スタッフ「原作 - 西尾維新(講談社BOX『愚物語』『業物語』『撫物語』『結物語』『忍物語』『宵物語』『余物語』『扇物語』『死物語』)、総監督 - 新房昭之、監督 - 吉澤翠、脚本 - 大嶋実句、キャラクター原案 - VOFAN、キャラクターデザイン - 渡辺明夫、総作画監督 - 渡辺明夫(第1 - 6話、第11 - 14話)、杉山延寛、宮井加奈、山村洋貴(第7 - 8話)、シリーズ構成 - 東冨耶子、新房昭之、美術監督 - 飯島寿治、美術設定 - 大原盛仁(第1 - 6話、第9 - 14話)、草森秀一(第7 - 8話)、名倉靖博(第7 - 8話)、色彩設計 - 渡辺康子、CG監督 - 島久登 (第1 - 6話)、渡部暁(第6.5 - 7話)、江藤慎一郎(第9 - 14話)、撮影監督 - 橋本日和、石川瑞帆、編集 - 松原理恵、音響監督 - 鶴岡陽太、音楽 - 神前暁(第1 - 6話)、Yuria Miyazono(第6.5話)、羽岡佳 (第7 - 14話)、音楽プロデューサー - 山内真治、音楽制作 - アニプレックス、アニメーションプロデューサー - 松川裕也、鈴木隆介(第6.5 - 8話)、プロデューサー - 淀明子、石川達也、塩谷佳之、西部真帆、企画 - 岩上敦宏、高橋竜、角田真敏、久保田光俊、アニメーション制作 - シャフト、製作 - アニプレックス、講談社、シャフト」(〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン - Wikipedia 参照)。

*8:Cf. Story -TVアニメ『義妹生活』公式サイト- . スタッフ「原作 - 三河ごーすと(MF文庫J『義妹生活』 / KADOKAWA刊)、キャラクター原案 - Hiten、監督 - 上野壮大、シリーズ構成 - 広田光毅、キャラクターデザイン - 仁井学、プロップデザイン - いのうえりか、メインアニメーター - 太田衣美、渡邉徳、色彩設計 - 桂木今里、美術監督 - 甲斐政俊、美術設定 - 田尻健一、鹿野良行、撮影監督 - 近藤慎与、CGディレクター - 大嶋慎介、編集 - 白石あかね、音響監督 - 小沼則義、音響効果 - 山田香織、音響制作 - 100studio、音楽 - CITOCA、音楽制作 - 山口響子、日本コロムビア、音楽プロデューサー - 江添佳絵、プロデューサー - 香山貴亮、小倉理絵、大類瞬、門貴治、谷口博康、外川明宏、杉本拓朗、松村尚、渡瀬昌太、アニメーションプロデューサー - 中田善文、アニメーション制作 - スタジオディーン、製作 - 義妹生活製作委員会」(義妹生活 - Wikipedia参照)。

*9:Cf. Story -TVアニメ『パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき』公式サイト- . スタッフ「原作 - 影茸、漫画 - 鳴海みわ、キャラクター原案 - カカオ・ランタン、監督 - 大西景介、シリーズ構成・脚本 - 砂山蔵澄、キャラクターデザイン - 水野友美子、モンスターデザイン - 菊地功一、プロップデザイン - 小野晃、2Dワークス - 西村徹也、色彩設計 - 渡部勇輔、美術設定 - 佐南友理、中村嘉博、美術監督 - 合六弘、撮影監督 - 村上優作、編集 - 渡邉千波、音響監督 - 郷田ほづみ、音響効果 - 今野康之、音響制作 - プロセンスタジオ、音楽 - 谷ナオキ、矢野達也、音楽制作 - ポニーキャニオン、アップドリーム、音楽プロデューサー - 澤畠康二、山田公平、チーフプロデューサー - 梅田和沙、柱山泰佐、プロデューサー - 村上貴志、澤畠康二、石井正記、小澤文啓、今村浩一朗、大貫佑介、林雅之、アニメーションプロデューサー - 釋迦郡卓、アニメーション制作 - スタジオエル、製作 - 「パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき」製作委員会」(パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき - Wikipedia  参照)。

*10:Cf. ストーリー |「ネガポジアングラー」 - 公式サイト . スタッフ「原作 - ネガグラプロジェクト、監督 - 上村泰、シリーズ構成・脚本 - 鈴木智尋、キャラクターデザイン・総作画監督 - 谷口宏美、魚類の絵 - 長嶋祐成、プロップデザイン - 月田文律、横山なつき、谷口宏美、美術監督 - 市倉敬、美術設定 - 藤瀬智康、色彩設計 - 垣田由紀子、CGディレクター - さいとうつかさ、撮影監督 - 頓所信二、編集 - 神宮司由美、音響監督 - 岩浪美和、音楽 - 菊谷知樹、音楽制作 - KADOKAWA、音楽プロデューサー - 水鳥智栄子、プロデューサー - 菊島憲文、亢越、Julien Vig、西前朱加、アニメーションプロデューサー - 角木卓哉、アニメーション制作 - NUT、製作 - 「ネガポジアングラー」製作委員会」(ネガポジアングラー - Wikipedia 参照)。