本記事では俺ガイル10巻について考察・解説を行う。 俺ガイル10巻については、主に以下のような点が論点になると考えられる。 「手記」とは何なのか?何のためにあるのか? 陽乃の「見つけてくれることを、かな」というセリフはどういう意味か? なぜ葉山隼…
本記事では、『チェンソーマン』において銃の悪魔が出現した「1984年」という年(この年号が浮かび上がった経緯については後述)が意図的なものであると仮定した上で、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』と『チェンソーマン』との関連を考える。 具体的に…
Ⅰ. 石浜真史と「不気味なもの/異質なもの」 ⅰ. 「不気味/異質」? さっそくだが何枚か画像を見ていただきたい。 石浜OPにおける「不気味/異質」なカット(上:『PSYCHO-PASS 2』(サイコパス製作委員会,2014)OPより、中:『PERSONA5 the Animation』(PERSONA…
Ⅰ. 「欲しいものがあったから」 欲しいものがあったから。 たぶん、昔からそれだけが欲しくてそれ以外はいらなくて、それ以外のものを憎んですらいた。だけど一向に手に入らないから、そんあものは存在しないとそう思っていた。*1 つまるところ9巻は、八幡が…
Ⅰ. 「まちがい」 自分が何かまちがえたのではないかという、その疑念だけが残った。 (渡航『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。⑧』p.334より) 『俺ガイル』8巻のキーワードは「まちがい」だ。 7巻では「大事だから、失いたくないから」、だから「変…
Ⅰ. 「だから、誰もが嘘を吐く。」 大事だから、失いたくないから。 隠して、装って。 だからこそ、きっと失ってしまう。 そして、失ってから嘆くのだ。失うことがわかっているなら手にしない方がマシだったと。手放して死ぬほど悔やむくらいなら諦めたほうが…
<前編はこちら ↓> <前編>では、「知る」ということについて、特に八幡と由比ヶ浜の関係から、彼らが互いをどのように「知って」いったのかを見てきた。 <後編>においては、さらに八幡と雪乃の関係から「知る」ということを見つめ、『俺ガイル』第1章で…
Ⅰ. はじめに ⅰ. 彼ら彼女らがお互いを「知り」、スタートラインに立つまでの物語 俺も、雪ノ下も、お互いのことを知らなかった。 何を持って、知ると呼ぶべきか。理解していなかった。 ただお互いの在り方だけを見ていればそれで分かったのにな。大切なもの…