Ⅰ. はじめに 『さらざんまい』が終わりました。 しかし、(少なからず同じような気持ちの方がいらっしゃると思うのですが)私はまだいろいろと消化しきれていません。 そこで今回は、最終話についてじっくりと解釈した上で、改めて『さらざんまい』という物…
< ↓ 前編 ↓ > <前編>から日が開いてしまって申し訳ないです。 その間に見返して気づいたことも含めて、改めて十皿の感想・考察、やっていきたいと思います。 // Ⅴ. 真武の「欲望の対象」は何だったのか ⅰ. 「欲望の対象」=「ツナガリ」 ⅱ. 「ハコハコ♪…
Ⅰ. はじめに 真武は結局、尻子玉を抜かれて「縁の外」に行ってしまったのでしょうか? もし真武が「縁の外」に行ってしまっていたとしたら、普通に死んだだけ(?)の玲央とは離れ離れになってしまわないでしょうか? 普段はあまりこういう試みはしないので…
Ⅰ. ㋐=「対象a」に近い意味合い 『さらざんまい』第一皿より(©イクニラッパー/シリコマンダーズ) ㋐って何なんでしょう? 私は今のところ、㋐はフランスの精神分析家ジャック=ラカンが用いた「対象a(たいしょうアー)」(※ "a"はフランス語で「アー」と読…
Ⅰ. 時系列まとめ ⅰ. 結論 さらざんまい時系列まとめver2.1 結論から先に言うと、時系列は上の画像のようにまとめられます。 ただし、これはあくまで可能性が一番高いものを、一番一貫性のある形にまとめたものに過ぎません。 あくまで仮定の表であることに十…
<前編> www.zaikakotoo.com <後編>では、「つながり」の切断、そしてつながりたいけどつながりたくないというアンヴィバレントな欲望について確認し、『さらざんまい』ではどのような欲望が描かれるのかという問題の核心に迫っていきます。 Ⅶ. つながり…
Ⅰ. 「つながりたい」という欲望 ――震災を経て―― 『さらざんまい』の監督である幾原邦彦氏(以下「幾原監督」)は、『読売新聞』の記事で以下のように述べています。 「阪神大震災と東日本大震災、その後も続いた地域災害を経て、僕らは損なわれる物質の無常…
Ⅰ. はじめに 『さらざんまい』と村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(以下『多崎つくる』と表記する)って似てるなと思いました。 どういうところが似ているのかというと、 ヒロインの名前(「吾妻サラ」∽「木本沙羅」) 登場人物たち…