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【さらざんまい考察】時系列のまとめと疑問点【随時更新】

Ⅰ. 時系列まとめ

ⅰ. 結論

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さらざんまい時系列まとめver2.1

 結論から先に言うと、時系列は上の画像のようにまとめられます。

 ただし、これはあくまで可能性が一番高いものを、一番一貫性のある形にまとめたものに過ぎません

 あくまで仮定の表であることに十分注意してください

 以下では、このような結論になった根拠と、時系列をまとめる上で生じた疑問点第八皿以降に判明した時系列の<追記>をまとめています。

 

Ⅱ. アニメの現行時間決定の根拠

ⅰ. 根拠①スカイツリーの有無

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『さらざんまい』キービジュアル(©イクニラッパー/シリコマンダーズ)

 まず、スカイツリーの有無が根拠の一つとして挙げられます。

  上の「玲央と真武」のTwitterの画像とキービジュアルを比べると、スカイツリーの有無が意識的に操作されているであろうことが推測できます

  この仮定に基づくなら、スカイツリーの着工は2008.7.14、竣工は2012.2.29なので、完成されたスカイツリーが確認できる現行のアニメの時間は、2012.2.29以降であると仮定することができます。

 

<追記>

 玲央と真武のtwitterが消えてしまったため、確認できなくなってしまったのですが、引用していた玲央と真武のtwitter画像にはスカイツリーが映っていませんでした。

 

ⅱ. 根拠②カレンダー

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『さらざんまい』第一皿より(©イクニラッパー/シリコマンダーズ)

 カレンダーがこの曜日配列になるのは、近年では2002、2013、2019、2024です。

  もちろんこれ以外の可能性もあるのですが、後述する「根拠④手配書」から、最も有力なのは2019年と推定できます。

 また、上のカレンダーは「第一皿」で一稀たちの教室にかかっていたので、「第一皿」は7月あるいは8月であると推定できます

  加えて、8月は中学校が休みであることを考えれば、「第一皿」は7月である可能性が高いと考えられます

 

(※なお、7月15日は海の日、8月11日は山の日(2016.1.1新設)で祝日なのでカレンダーによっては日にちが赤くなることがありますが、赤くなるのなら2002、2013、2019……どの年代であっても赤くなるはずなので、年代を考えるにあたっては祝日の有無などからは特定できないだろうと考えました。)

 

ⅲ. 根拠③悠の家族写真

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『さらざんまい』第四皿より(©イクニラッパー/シリコマンダーズ)

 この根拠からはっきり言えるのは、2007.5.20に悠が、誓ら家族とともに写真に写ったという事実です。

 そこから少なくとも推定できるのは、現行のアニメの世界は2007年5月20日以降の世界だということです。

 変な言い方になってしまうのですが、これに関しては慎重にならねばなりません。

 なぜなら、現行のアニメの世界が2019年だとすると、2007年に悠は1~2歳だと推定できるのですが、小説版ではこの写真が撮られたのは5歳のときだされており、矛盾が発生するからです。

 この問題に関しては、後で詳しく考えることにします。

 

ⅳ. 根拠④手配書

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『さらざんまい』第八皿より(©イクニラッパー/シリコマンダーズ)

 誓が濡れ衣を着せられ、指名手配にかけられたのは現行のアニメの時間が進行している最中のことですから、そこから現行のアニメの世界は2019年4月~6月以降だと推定できます

 以上の根拠をまとめると、現行のアニメの世界の時代設定は以下のように推定できます。

  • 根拠①スカイツリー→2012.2.29年以降
  • 根拠②カレンダー→……2002,2013,2019,2024……かつ7月
  • 根拠③家族写真→2007.5.20以降
  • 根拠④手配書→2019.4月~6月以降 

 これらの根拠に加えて、アニメが放送されている現実世界が2019年であること、あまりにも未来の時間をアニメの時間軸に設定する理由が見当たらないことなどを加味すると、最も有力なアニメの現行の年代は、2019年7月以降であると推測できます

 

 この推測に、一稀・悠・燕太が現行のアニメの世界で中学2年生(ストレートで学業を終えていれば14歳になる年)であることを踏まえ、アニメ世界で言及されていた年齢などを重ねると以下の画像のようににまとまります。

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さらざんまい時系列まとめver2.1

  その他の決定に関しては、以下に簡単にまとめておきます。

  • アニメや小説では、一稀・悠・燕太に関する出来事は年代ではなく年齢と共に語られる。そのため時系列まとめ画像では、出来事があると想定される期間を記すとともに、出来事の最後のカッコ内に年齢を付記した。
  • ただし、年代がはっきりと言及されているか、あるいは時期がはっきりわかっている場合は出来事の前に時期を記した。
  • 一稀が実母と会った時期は、小説で「中学二年を目前に控えた春休み」((幾原邦彦・内海照子『さらざんまい上』(幻冬舎コミックス,2019) p170参照))と言及されていることから、2019年の3月下旬~4月上旬の間だと推定した。また、春河が交通事故に遭ったのは一稀が実母と出会った「次の日」だと同じく小説で確認できるので、同時期だと考えた。
  • アニメのセリフや小説などから、一稀がミサンガを捨て、部活を辞めたのは、春河が事故に遭った後だと考えられる。一稀が部活を辞めたのは「久慈が転校してきたその日」だと第三皿で燕太が証言しているので、第一皿の2019年7月だと考えられる。
  • しかしミサンガを捨てた時期は明確ではなく、また、ミサンガを捨てたのが先か、部活を辞めたのが先かは不明である。
  • 前提として、年齢については彼らがストレートに進学し、「中学二年生」が14歳になる年だと考えて逆算したが、明確な根拠はない。特に、悠については、彼の境遇から、学校教育を1年や2年遅れて受けている可能性は捨てきれない。悠は誕生日も明確に分かっていないので、今回は一番有力であろう2005.4.1~2006.3.31の間に彼の誕生日があると仮定して表を作成した。

 

 

Ⅲ. 疑問点とそれに関する考察

ⅰ. 疑問①第一皿アバンはいつの出来事?

a. 3つの手掛かり
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ミサンガと端に映るスカイツリー(『さらざんまい』第一皿より©イクニラッパー/シリコマンダーズ)

 「第一皿アバン」とは、一話冒頭で一稀が隅田川沿いをランニングしているシーンのことです。

  第一皿アバンの時系列を決定する手掛かりは、今のところ以下の3つになります。

  • 一稀がミサンガをつけている→「一稀が燕太からミサンガをもらった(第八皿参照)後」かつ「ミサンガを捨ててから付け直すまでの期間ではない」→「2015秋~2016春よりは後」かつ「2019.3月ごろ~2019.7月ごろまでの間ではない」
  • 完成形のスカイツリーが確認できる→2012.2.29以降
  • 明らかに10歳以降の容姿→2015.4.29以降

  以上3つの手掛かりから、第一皿アバンの時系列は、「2015秋~2016春よりは後」かつ「2019.3月ごろ~2019.7月ごろまでの間ではない」だと考えられます。

  つまり、「一稀が10歳より後でミサンガを捨てるまでの間」または「ミサンガを付け直した現行のアニメより少し未来」のどちらかになります。

 

b. まだ世界に㋐がないということの意味
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第一皿アバン(左)と第一皿中盤(右)の比較(©イクニラッパー/シリコマンダーズ)

 実はまだポイントはあって、第一皿アバンの世界にはまだ㋐がないというのがそれなのですが、これについては少し慎重にならねばならないと思われます。

  まず、ランニングする一稀の上空から大量のが降ってくる描写からもわかる通り、㋐が大量に降ってきたときに何かが起きて、世界に㋐が広がったのだと考えられます

  したがって、第一皿アバンがいつ起こったのかを知るのにも、いつから世界に㋐があるのかがわかればそれが役に立ちそうなのですが、そこに大きな問題があります

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回想でも登場する㋐(左:第四皿より 右:第五皿より)(©イクニラッパー/シリコマンダーズ)

 例えば、㋐は悠が10歳のときの回想シーンにもすでに存在していますし、一稀が実母と出会う場面にも㋐があります。

 つまり、もし第一皿アバンが現行のアニメより前の話だったなら、そこには㋐が存在しているはずなので矛盾するのですが、これは少し慎重に考える必要があると考えられます。

 例えば、㋐が降った来たことによって、㋐が過去さえも侵食してしまったなどと考えれば辻褄は合うからです。

 したがって、現時点では㋐が世界にあるかないかだけで第一皿アバンの時系列を考えるのは危険だと判断しました。

 ㋐のことも考えると、例えば以下のような選択肢も、一応は、浮かび上がってきます。

  • 第一皿アバンはn周目(n∊N ⋀ n≠0)の世界
  • 第一皿アバンは、複数ある現実世界のうちの別の世界(世界線)

 ただ今のところは「平行世界」だとか「多次元宇宙」だとかSF的要素を使うことがそこまで作品に効果的ではないような気はします……。

 

 私は今のところ(※追記 アニメ放送時の5月頃)、ミサンガのことや㋐の意味、冒頭の「はるちゃーん」と聞き取れる声などからして、一稀が実母と会う少し前くらいの出来事だと考えています。

 というのは、世界に㋐が降り注いだことによって、浅草の街全体・住民全体が欲望or愛を活発に動かしていく方向へと向かっていった(※追記 最終話によって㋐は過去にも降り注ぐことがわかったので、㋐が降り注ぐ前と後で単純に比較することは不可能だと明らかになりました)と考えると筋が通るような気がするからです。

  そう考えるならば、第一皿アバンの意味は㋐が降ってきたことによって過去の世界まで㋐に侵食されたか、㋐が降ることによって別の時間軸に移ったかのいずれかのように思えます。

 

 また、㋐が降り注ぐという事態は、カッパ王国崩壊とも深く関わっていると考えられます。(※追記 関係はありましたが、直接的な原因ではないと考えられます)

 結局、第一皿アバンがどの時間なのかを決める決定的な根拠は今のところはないので、これに関してはまた手掛かりが出次第考えていきたいと思います。

 

ⅱ. 疑問②「カッパ王国歴333年」とはいつの出来事?

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『さらざんまい』第六皿より(©イクニラッパー/シリコマンダーズ)

 アニメのこの場面は原作小説では、「カッパ王国歴333年」とされています。*1

 このカッパ王国がカワウソ帝国に滅ぼされようとしているまさにこの瞬間は、画像の後ろに映った塔が関東大震災によって半壊した凌雲閣にそっくりであることや、後ろで起こっている火災が関東大震災直後の火災旋風を思わせることなどから、1923年の関東大震災をモチーフにしていると考えられます。

 したがって、まずは「カッパ王国歴333年」=1923年と考えられるのですが、それだけで断定するのはいささか早計かもしれません。

 というのは、カッパ王国歴333年=1923年だとすると、玲央と真武身辺の出来事がいささか不自然に思われるからです。

 

 まずカッパ王国歴333年=1923年ならば、玲央と真武は2019年まで、少なくとも96年ほど生きていることになります

 しかしこれは、玲央と真武はどうやらカッパ王国に仕えていたらしいことがわかりますし、彼らが人間でないとすれば(そもそも今の真武は機械の心臓で保っていますし)フィクションとしてあり得なくはありません

  ただ後述するように、玲央と真武のTwitterが2007年~2008年のものであり、その後にカッパ王国歴333年が来たとも考えられることから、「カッパ王国歴333年」=1923年とするのは難しいように思われます。

 

 では結局のところ、カッパ王国333年は人間界で言うところの何年なのでしょう?

 もちろん、カッパ王国と人間界では時間の流れが違うなどとより複雑に考えることもできるのですが、そのような考えを設定すると選択肢が多すぎるので、ここではカッパ王国と人間界の年代をリンクできると仮定して、いくつかその候補を挙げておきたいと思います。

a. 候補①カッパ王国歴333年=2008年

 これが一番しっくりきます。

 この候補がしっくりくるのは、まず「玲央と真武」のTwitterでの言動とリンクするからです。

 

 例えば最後から数えて3番目の「この街の平和は俺たちが守る」はちょうど凌雲閣(前述した関東大震災で倒壊した塔)があった場所の上空から取られたような風景の写真つきのツイートなのですが、これはカエル王国(とつながっている現実世界の浅草)を守る決意を記した真武の言葉だと受け取れます。

 あるいは最後の「こんな腐った世界でも俺は欲望を手放さない #玲央」というツイートは、黒ケッピが出てきたときに玲央を庇った真武の「欲望を、手放すな……。未来は……欲望をつなぐ者だけが、手に、できる……」というセリフを受けた玲央の決意だと受け取ることができます。

 さらにカッパ王国歴年333年=2008ならば、その後のスカイツリーの建設は、カワウソ帝国側の目論見だと理由づけることもできます。

 カワウソ交番の地下構造がスカイツリーの骨子と類似していることはアニメから明らかですが、スカイツリーがカワウソ側の建物だとするなら、「2008年スカイツリー着工」という現実世界の出来事がうまくアニメに応用できるのです

 

 以上のことから、カッパ王国歴年333年=2008年ということが最もしっくりきます。

 ただ、もしそうだとするならば、アニメの2019年までに11年もの開きがあることになり、その間玲央と真武は何をしていたのかという不自然さは残ります。

 もちろん、やることと言ったらカパゾンビを作って欲望エネルギーをカワウソに供給するくらいしかないと思うのですが、11年もあれば浅草の人間はほぼ狩り尽くしてしまう気がしなくもありません。

b. 候補②カッパ王国歴333年=第一皿アバン

 これは単純に、㋐が降ってきたのはカッパ王国がほろんだからだという発想によるものです。

 もしそうならば、前述したように第一皿アバンは2019年だと考えられるので、時間的な開きはなくなり、玲央と真武もかなり最近からカパゾンビを作っているのだということになり不自然さはなくなる気はします。

 ただ㋐が降ってきたこと以外に理由はないのでやや弱いです。 

c. 候補③カッパ王国歴年333年=2011年

 これも単純に、『さらざんまい』が震災を意識していることから、関東大震災をモチーフとした表現が、実は東日本大震災を示唆していたのだという発想によるものです。

 インタビューなどから幾原監督の震災への意識、特に東日本大震災への意識の強さはうかがえるので、アニメのどこかに東日本大震災関連の何かを登場させることは十分あり得ると思われます。

 ただこれも地震関連以外に理由はないので弱いです。

ⅲ. 疑問③真武が帝国の技術で復活したのはいつのこと?

 それがいつであるか考えるヒントとしては以下のようなことが挙げられます。

  • 「玲央と真武」のTwitterにおいては真武が食事をしているため、真武が機械の心臓をつけられ、食事が意味をなさなくなったのは、「玲央と真武」のTwitterの時期よりは後の事だと考えられる。→2008.3.31以降?
  • カッパ王国歴333年の時点で真武が負傷したので、真武が復活したのはそれよりは後のことだと考えられる。
  • アニメ開始の時点で玲央と真武が人間界の交番に勤務していることから、真武が復活したのはアニメ開始の時点よりは前の事だと考えられる。→2019.7月以前?

 以上をまとめると、真武が帝国の技術によって復活したのは2008.3.31~2019.7月の間だと考えられます。

 しかしそうだとするとその間には約11年もの歳月があることになります。

 自然と言えば自然なのですが、その間中ずっと浅草の人々の欲望を搾取し続けてきたのかと思うと、やや不自然さも残るような気がします。

 しかし今の時点で断定できる材料はないので、これについても随時考察していきたいです。

ⅳ. 疑問④悠の家族写真の矛盾

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『さらざんまい』第四皿より(©イクニラッパー/シリコマンダーズ)

 2007.5.20に撮影されたと見られる悠の家族写真について、現行のアニメの世界が2019年だとすると、原作小説との間に矛盾が生じます。

 まず小説を確認します。

 ふと、銃と一緒に入っていた紙切れが気になった。

 何とはなしに引っ張り出して裏返したそこには――

 幼い誓と悠が笑っていた。

 それは、悠が五歳の頃の家族写真だった。

(幾原邦彦・内海照子『さらざんまい上』(幻冬舎コミックス,2019) p137より引用)

 はっきりと「五歳」という記述があります。

 

 次にアニメのことを考えてみます。

 現行のアニメの時間は前述したように2019年が最も有力だと考えられるのですが、2019年に悠が14歳になるのなら、写真が撮られた2007年の時点では、悠は1~2歳だと考えられます

 つまり家族写真が撮られたときの悠の年齢は、小説では5歳、アニメから考察すると1~2歳となってここに矛盾が生じます。

 

 これに対する対処の仕方は、まず大きく分けて2通り考えられます。

  1. この矛盾は矛盾として機能する
  2. この矛盾は単純なミスである

 この矛盾がミスによって生じたものならば問題ないのですが、ミスではなく、矛盾が矛盾として成立した場合、現行のアニメの時代はそもそも2019年ではないか、または、何らかの理由で時間にゆがみが生じたことになります

 今の時点でこれについて深く考えると、かなり複雑になってしまうので、今のところはこの問題をここに記しておくことだけにとどめたいと思います。

※追記 小説版の下巻を読みましたがこの謎は解明されませんでした。小説版とアニメ版とは異なるのだと考えるのが妥当な気はします。 

Ⅳ. <追記>第八皿以降の時系列更新まとめ

ⅰ. 悠が一稀にミサンガを渡した時期

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『さらざんまい』第八皿より(©イクニラッパー/シリコマンダーズ)

 悠が一稀にミサンガを渡した時期は、以下のような手掛かりから推測しました。

  • 悠が浅草を発つ直前の場面である→悠が10歳のとき以降(2015.4月以降)
  • 一稀が「僕は誰ともつながっていないんだ」と、自分の家族が本当の家族でないことを知っている口ぶりをしている→一稀が実母の存在を知った「10歳の夏」後(2015年夏以降)
  • 一稀がミサンガをつける前→燕太と「ゴールデンコンビ」としてサッカーをやっているときにはもうつけている(第三皿の燕太の回想シーン参照)→一稀が小学生のとき以前(2017年度以前)
  • 一稀のキャラクターデザインの見た目が、10歳のときのデザインに類似している→一稀が10歳前後の時点(2015年前後)
  • 着ている服が長袖である→季節は秋~冬あるいは翌年の春頃

 以上のことから、悠が一稀にミサンガを渡したのは、悠の両親が殺された後かつ一稀が実母の存在を知った後の、2015年の秋~2016年の春までの間だと推定しました。

ⅱ. 誓の生年月日

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『さらざんまい』第八皿より(©イクニラッパー/シリコマンダーズ)

 上の画像から、誓が25歳であることが確認できます。

 カレンダーの根拠などから、玲央と真武がこの手配書を見ているのは2019年7月あたりであると考えられるので、誓は1993年8月~1994年7月の間のどこかで生まれたと推定できます。

 ちなみに上の場面で「4年前にこの街で起きた銃殺事件の容疑者らしい」と言われていることから、銃殺事件の時点で誓は21歳であったと考えられます。

  本編に関係があるかはわかりませんが、このとき悠は5歳か10歳なので、かなり年の差が離れた兄弟だと言えます。

ⅲ. 10歳の一稀・悠・燕太の時系列の整理

 第八皿で悠がミサンガを渡した事実が発覚したため、10歳の時点での三人組の時系列がかなり明るくなりました。

 結論から言うと以下のような時系列になるでしょう。

2015夏 : 一稀が実母の存在を知る

2015秋~冬 : 悠の両親が亡くなり、由利を殺害した後、一稀にミサンガを渡す

2015秋~2016.5.28 : 一稀に誘われて燕太がサッカーを始める(このときすでに一稀の右足には青いミサンガが結ばれている*2

2015秋~2016.5.28 : 「秘密の練習場所」に白いペンキでゴールを描く(∵「四年前に描かれたそれは、ペンキがはげて色褪せていた」*3という原作小説の記述)

 ここで明らかになっていないのは、一稀がサッカーを始めた時期です。

 燕太をサッカーに誘った時点で、一稀はサッカーを「始めたばかり」だという記述は原作小説にあるのですが、範囲がやや広く、特定が難しいです。

 ただ悠にミサンガをもらってから、悠が捨てたサッカーを受け継ぐ形で、一稀がサッカーを始めたというのと、悠は関係なしにもともとサッカーはやっていたというのでは、かなり意味合いが変わってきます

 これは大事なことなので手掛かりが出次第また追記したいと思います。

 

Ⅴ. おわりに

ⅰ. 参考サイト様

最後になってしまったのですが、参考にさせていただいたサイト様を引用いたします。

rarafoutune.hatenablog.com

team-kaidoku.hatenablog.com

 以上のサイト様を参考にさせていただきました。

 はじめに引用したサイト様は玲央と真武のTwitterに関する考察を、次に引用したサイト様では一稀・悠・燕太の時系列を非常にわかりやすくまとめてくださっています。 

ⅱ. 随時更新予定

 急ぎ足ですがひとまずまとめてみました。

 今後も随時更新していく予定です。

 何か間違いなど、ご指摘があればコメントを頂けますと幸いです。

 最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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*1:幾原邦彦・内海照子『さらざんまい上』(幻冬舎コミックス,2019) p219参照

*2:アニメ第三皿および幾原邦彦・内海照子『さらざんまい上』(幻冬舎コミックス,2019) p085参照

*3:幾原邦彦・内海照子『さらざんまい上』(幻冬舎コミックス,2019) p84