※こちらはアニメ第3期放映時にリアルタイムで作成した記事です。その後の展開や明らかになった設定と食い違う点や推測を多分に含みます。記事を鵜呑みにせず、最新の情報をご確認ください。非公開にすることも考えましたが、いまだ活かせる情報もあるように思われたのでアーカイブとして残します。ご承知おきくださいませ。
Ⅰ. 「ライラプス」
ⅰ. ライラプスの犬とテウメーッソスの狐
「ライラプス」とは、ギリシア神話に登場する犬の名前です。どんな獲物も逃がさないと運命づけられたその犬は、ある時、テウメーッソスの街で人々を食い殺す「狐」を捕まえるよう命じられます。
ところがそのテウメーッソスの狐は、何者にも捕まらない運命にあったので、ライラプスの犬とテウメーッソスの狐の追いかけっこは延々と続くこととなりました。
終わることのないと思われたこの逃走劇は、神ゼウスの手で半ば強引に幕を閉じます。「どんな獲物も逃がさない」、「何者にも捕まらない」という相反する運命にあった二匹は、ゼウスによって石に変えられ、その宿命を果たさぬまま、生涯を終えることになったのです――
ⅱ. 「ライラプスの召命」
『PSYCHO-PASS 3』の第一話のサブタイトルは、そんな「ライラプス」の名を冠した「ライラプスの召命」でした。
召命、つまり神に召された「ライラプス」とはこの場合、新しく監視官として着任した慎導灼(しんどうあらた)、炯(けい)・ミハイル・イグナトフ、あるいは新顔の執行官たちを指しているのでしょう。
では「テウメーッソスの狐」はこの場合誰に当たるのでしょうか? あるいはライラプスを「召命」した「神」とは誰なのでしょうか? そして彼らは、神話と同じく、石に変えられる運命をたどってしまうのでしょうか?
以下では、『PSYCHO-PASS3』第1話の情報を整理しながら、「ライラプス」、「テウメーッソスの狐」、「狼」、「神」について考察していきたいと思います。
Ⅱ. ライラプスたち
ⅰ. 仏壇を拝む慎導灼……?
「3」から新登場した「ライラプス」もとい慎導灼監視官と炯・ミハイル・イグナトフ監視官は、第1話から一見不自然にも思えるような立ち回りをしています。
何が不自然かと言えば、例えば、2人が着任前からかなり親密な接し方をしていたり、灼の能力を知った上で炯が「俺が手綱を握る」と発言したり、「俺たちが探す真実ははるかに深いところにある」と意味深な会話をしたりしていたところです。
中でも私が一番気になったのは、冒頭で灼と炯が夕陽に照らされながら壁に向かい合っているシーンが挿入されていた点です。彼らはなぜ壁に向き合っていたのでしょうか?
よく見ると、灼が向き合っているのは、壁ではなく、何か仏壇らしきものであることがわかります。炯の方も、となりの妻(舞子・マイヤ・ストロンスカヤ)らしき人物とともに、家具の上に置かれた写真のようなものを見つめていることがわかります。
ここから単純に想像できるのは、2人とも血縁者を亡くしているのではないかということです。
ただし、それはただ単純に、2人が暗い過去を背負っているといった程度の設定ではないと考えられます。
2人のこの描写が対比的に同時に行われたこと、あるいは上述した二人の「不自然な立ち回り」を合わせて考えると、この設定にはより重要な意味があるように思えてくるのです。
ⅱ. 「事件」?
結論から言うと、灼と炯は、共通の「事件」の被害者遺族なのではないかと推測できます。
「事件」とは、1話でたびたび言及されていた、「事件」のことです。「事件」については例えば以下のような描写がなされていました。
- 灼が見ていた夢の中で、灼の父親(慎導篤志・しんどうあつし)が運転する車のラジオから流れていた「公安局■■■■■■■■事件で■■■■ 現行犯逮捕■■■ ■■■元監視官のサイコパスを非公表■■■■■■」というとぎれとぎれの放送(伏字の数はジャンプ+で連載しているコミカライズ版を参考にして数えました)
- 輸送船墜落事件の調査中、執行官たちが行っていた「前みたいに事故って死ななきゃいいんだが」「ちょっと!めったなこと言わないで」「その話題はやめとけ」という会話
- 炯と如月真緒(きさらぎまお)執行官の間で交わされた「型破りと言えば、昔一係の監視官がそうだったらしいな」「常守 元監視官ですか」「知ってるのか」「いえ、私が執行官になったのは例の事件の後で、一緒に働いた経験があるのは雛川だけです」という会話
以上のような描写などから考えると、1話の時間軸からそう遠くない過去に、かなり大きな「事件」があって、その影響で常守も監視官を退いたのではないかと推測できます。
常守が関わったという推測は、すでに複数の方が指摘している、ラジオの伏字を「公安局局長が殺害された事件で厚生省は現行犯逮捕された常守朱元監視官のサイコパスを非公表とする」と解釈することが根拠にありますが、もちろんこれはミスリードの可能性はあります(局長殺害については後述)。
ただ、他の監視官が逮捕されることには展開的に何の利益もありませんし、常守が逮捕されたとするならば、色相がクリアなはずなので「サイコパスを非公表」とする理由も納得できます。
ではなぜ、灼と炯がこの「事件」の被害者遺族だと推測されるのでしょうか?
ⅲ. 灼と炯は「事件」の被害者遺族……?
なぜ灼や炯がこの「事件」の被害者遺族だと推測できるのかというと、そう仮定すれば、1話で描写された様々な不自然な点に説明がつけられるからです。
例えば、冒頭で仏壇あるいは写真を拝んでいた2人の描写が同時に対比的にはさまれたのも2人が同じ「事件」を背景に持っていることの描写だと説明できますし、2人がもともと知り合いだったのも「事件」を通してお互いを知り合ったからだと言えますし、灼が炯に向かって言った「俺たちが探す真実ははるかに深いところにある」の「真実」とは、「事件」に関する「真実」だと考えることができます。
1話の最後には、モニターで常森が灼と炯のプロフィールを眺めていましたが、これも常守があらかじめ2人が「事件」の被害者遺族であったことを承知の上で、自分が「事件」当初追っていたことを2人に引き継がせるために、2人を監視官にするよう根回ししたのではないかとも考えられます。
以上のことはもちろん、推測の域を出ません。
ただ「事件」が「3」の重要な出来事となっていることは間違いないですし、2人がより深い「真実」を求めていることに変わりはありません。
それに関してこれから様々な描写がなされるでしょうから、この新しい「犬」たちの動向からは目が離せません。
ⅳ. 旧き「犬」たちの動向
ところで旧き「犬」たちの動向はどうなっているのでしょうか?
旧き「犬」たちとは、宜野座や狡噛、須郷たち旧一係メンバーのことです。
結論から言うと、彼らは外務省にいるのではないかと考えられます。
そう考える理由はいくつかありますが、まず第一に、劇場版第二作のSinners of the SystemのCase.2で須郷が外務省の花城フレデリカから勧誘を受け、 Case.3で狡噛が日本へ帰ると宣言したこと、そして第二に、「3」の第1話で宜野座の通信用モニターに外務省のマークが見られたことが挙げられます。
ちなみに、細呂木局長と話す霜月が「外務省の連中」が来るのか来ないのかを気にしていたのも、外務省に元一係の人間がいるからだと考えられます。
しかし問題は、彼ら元一係の人間が外務省で何をしているのか、ということです。
はっきり言って、これに関しては具体的なことはまだわかりません。
ただ、おそらくこれには「開国」したことが影響しているのではないでしょうか。
おそらく「開国」したことで何らかの「正義」に反した出来事が水面下で(おそらくシュビラの協力の下で)なされ、その欺瞞を打ち破ろうとした常守を始めとする一係が、「事件」を起こしながらも失敗し、常守は幽閉され、一係は外務省にかくまってもらっているような状況、というのが一番筋が通る気がします。
これに関しても今後の動向を注意深く見守る必要がありますね。
Ⅲ. テウメーッソスの狐たち
ⅰ. 「狐」=些々河、与根原
些々河「忘れるな与根原、俺たちは羊にはならんと誓った。この社会で成功し、狐になると」
(『PSYCHO-PASS 3』第1話より)
「犬」が灼や炯ならば、「狐」は、上のセリフに見られるように、ハイパー・トランスポート社の重役である些々河(ささがわ)や与根原(よねはら)のことでしょう。
彼らからすれば、搾取されるような「羊」の生き方ではなく、ずる賢く得をする「狐」が理想ということなのでしょうが、奇しくもその「狐」は「犬」に追われる宿命にあるのでした。
一応簡単に、第1話の事件についておさらいしておくと、ハイパー・トランスポート社の会計士であったリック・フェロウズが死亡したが、彼は内部告発の口封じとして殺された疑いがあるということでした。
ハイパー・トランスポート社の事件は、まあ舞台装置といったところで、話の大筋にはそこまで深く関与しはしないかもしれませんが、どうやら鍵は「移民」にありそうです。
というのも、リック・フェロウズが隠していたファイルにはハイパー・トランスポート社の帳簿、社員の給与表のほかに、住宅ローンの管理表があったからです。
ⅱ. 住宅ローンのいざこざは伏線?
途中でちょっと「ショボい」事件がありましたね。
八ツ俣仁志(やつまたひとし)というおじいさんが、バザロフ・トリスコフという移民に軟禁されるという事件です。
あれは要するに、八ツ俣氏からあの部屋を借りていたバザロフ氏が、先に3年分の家賃を払っていたにもかかわらず、八ツ俣氏が投資に失敗したせいであの部屋を差し押さえられてしまったので、怒ったバザロフ氏が払った家賃を返せと八ツ俣氏に迫ったという事件でした。
一見なんでもないようないざこざですが、実はこのトラブルが、ハイパー・トランスポート社の事件に関わっているのではないかと考えられます。
すなわち、(もちろんこれも根拠の薄い推理でしかありませんが、)ハイパー・トランスポート社は、開国によって入国者を受け入れる住宅が増えていることに目をつけ、住宅ローン制度を利用し、不正にお金を巻き上げたいたのではないでしょうか。
その不正の証拠を、財務担当である会計士のリック・フェロウズがつかんでしまった、だから彼は殺された、そう考えると一応筋は通ります。
ところがそのような一連の事件の黒幕である与根原や些々河も、言ってみれば単なる「駒」にすぎないのではないと考えられます。
すなわち、「狐」になることを夢見ていた与根原や些々河は、同じイヌ科に属していても似て非なる、より狂暴な「狼」の小間使いに過ぎないのではないでしょうか。
Ⅳ. 狼たち
ⅰ. 如月執行官がとっさに隠した名刺の主は誰?
「梓澤廣一」、その名が書かれた、「狼」の絵が印刷された名刺を見た途端、如月執行官はそれをポケットに忍び込ませました。
「梓澤廣一」とは誰なのでしょうか?
エンディングのクレジットから、「梓澤廣一」の声優を務めるのは堀内 賢雄さんだとわかりますが、その声から、梓澤廣一は " I'm happy "とピースしながら輸送ドローンと自撮りしていたあの男、そしてその映像を自ら提出した男、ハイパー・トランスポート社の些々河と電話していた、あの男だとわかります。
この男、何者なのか詳しいことはまだわかりませんが、いくつか分かることはあります。
ⅱ. その男、梓澤廣一
梓澤は、ハイパー・トランスポート社の些々河との電話の中で、互いを少し変わった呼び名で呼んでいます。
梓澤は些々河のことを「7th インスペクターの些々河さん」と呼び、他方些々河は梓澤のことを「1st インスペクター梓澤廣一」と呼んでいるのです。
「インスペクター」とは検査員、監視員などのことですが、呼び名からわかる通り、どうやら彼らは7人、あるいはそれ以上の集団を形成しているようです(関係ないかもしれませんが、ちなみに、OPで敵陣営っぽく赤で色分けされている人物たちを数えると全部で11人います)。
気になるのは、『PSYCHO-PASS』で「インスペクター」、つまり "inspector" という語はドミネーター起動時に確認できるように、「監視官」の訳語として使われていることですが、どう考えても梓澤や些々河は監視官ではありませんよね。
「刑事さん、私のダイヤグラムを見破れるかな」という梓澤の口ぶりからは、何らかの「ダイヤグラム」、つまり「運行表」、あるいはある種の「計画図式」を描いて、何らか計画を遂行しようとしていることがうかがえます。
果たして「インスペクター」とは何なのか、いずれ出てくるであろう他の「インスペクター」にも注目していきたいです。
ⅲ. もう一匹の狼 ――慎導篤志――
第1話で「狼」として描かれている人物は、梓澤以外にもう一人存在します。
それが、慎導灼の父、慎導篤志です。
彼に関する手掛かりは少ないですが、列挙すると以下のようになります。
- 「父と同じ厚生省です」という灼の言葉から、篤史は厚生省に勤めている or 勤めていた
- 「篤史さんの息子か」という梓澤の言葉から、梓澤と篤史が知り合いであると推測される
- ED映像に映るプロフィールから、篤史の顔がわかるが、その人物はOP映像で、シビュラシステムの脳たちの上に立っている
- 公式HPのプロフィールにあるように、灼は父である篤史の車の中でしか熟睡できない。*1
それから篤史に関する謎として、やや重要だと思われるのは、冒頭の車のシーンで灼に告げている言葉ですね。
ラジオと同じくとぎれとぎれになっているのですが、コミカライズ版を見ると「■■■サイコパス■■■■ すべては■■■■ ■■■■■■ お前を守る■■■■■■」という伏字になっていることがわかります。*2
文字数もあっているかわかりませんし、伏字が多すぎて詳細はわかりませんが、「サイコパス」がこの語法で使われるときは、個人の「サイコパス」に関わるときなので、灼の「サイコパス」には何か秘密があるのかもしれません。
考えられるのは、「特A級メンタリストスキル」の影響で「サイコパス」がどうにかなっているとかそういう話ですが、それは彼によれば色相を「曇らないようにするのもメンタリストのスキルですから」ということでした。
しかしながら、例えばそもそも「免罪体質」だから執行対象になりきっても色相が曇ることはない、なんてことも考えられます。ただそれはさすがに「免罪体質」を使いまわしすぎでしょうか……?
灼の能力に関しても今後の展開が待たれます。
Ⅴ. 神たち
ⅰ. ビフロスト
「ビフロスト」とは、北欧神話に登場する、人界と神界を結ぶ、虹の橋のことです。
その名前に準ずるように、「ビフロスト」に所属していると考えられる法斑静火(ほむらしずか)、白銀遙熙(しろがねはるき)、裁園寺莢子(さいおんじきょうこ)の3人は、人界で逃走劇を繰り広げる「犬」たち、「狐」たちの動向を見守りながら、さながら神のように、それを賭けの対象としてマネーゲームを楽しんでいます。
「ラウンドロビン」を介して株式売買などを行う彼らは、曰く、「シビュラの干渉を防ぎ、ビフロストの利益を守るのが私たちの使命」とのこと。
しかし彼らは、実際のところ何をしているのでしょうか?
ⅱ. 『PSYCHO-PASS』の世界に三権分立とかってあるの……?
思うに、「ビフロスト」とは、三権分立において国会(立法府)が弾劾裁判で裁判官を裁けるように、あるいは内閣(行政府)が裁判官の任命権を持つように、シビュラシステムという司法の抑止力のような役割を果たしているのではないでしょうか。
思えばアニメ『PSYCHO-PASS』において、厚生省や外務省など、各省庁の名は聞いたことがあっても、「国会」などの名前は聞いたことはない気がします……(小説版はすべて確認できていません。情報があればおしえていただきたいです)。
第1期や第2期、そして劇場版を見ても、ある意味ではシビュラシステムという司法の独裁のようなものであるわけですし、それを抑止する存在がいてもおかしくはないように思います。
いずれにせよ、「ビフロスト」というのはシビュラシステムと同等かそれ以上の何か大きなスケールの話であるようです。
ⅲ. 「細呂木局長」
「ビフロスト」のほかに、『PSYCHO-PASS』で「神」に近い存在と言えば、シビュラシステムです。
ところでシビュラシステムと言えば、局長の名前が「禾生(かせい)」から「細呂木(ほそろぎ)」へと変わっていましたね。
その原因として、まず前述したように、「事件」で局長が殺害された可能性が考えられます。
もしそうだとするならば、なぜ局長は殺害されたのでしょうか?
言うまでもなく、おそらく殺害されても局長の中身はシビュラシステムのままであるはずです。
つまり局長を殺したとしても、シビュラシステム全体を殺すことはできないはずなわけで、局長殺しというのはつまり、そのとき局長の脳に入っていた「誰か」を殺すということを意味するはずです(もちろん脳のコピーをとっておいて死なないという事態もありえるのかもしれないのですが)。
そうまでして殺したいシビュラの中身とは誰なのでしょう?
さすがに槙島がよみがえるなんてことはないでしょうから、あり得るとしても、シビュラに多大な影響を与えるような異分子的な存在ということになるのでしょうか。
ただ局長を殺しても、結局はシビュラシステムは保たれるわけですし、なぜそんなにリスクの高い行動に出たのか、なぜ殺害なのかと、疑問は尽きません。
もちろん局長殺害ということ自体推測でしかないので、これについては今後の展開を見守るしかありません。
ⅳ. なぜ開国したのか?
シビュラに関して、もう一つ疑問があります。
それは、なぜ開国したのか? という疑問です。
難民側の気持ちは大いにわかります。紛争状態の世界から逃れて、比較的安全が保たれる日本で生きたいと思うのは当然の摂理でしょう。
しかしながら、日本が、シビュラが開国を受け入れる意図はどこにあるのでしょう?
現実世界なら、多様性の肯定、少子化への歯止め、低賃金の労働力の確保、あるいは純粋に慈悲のためと、様々な理由が考えられます。
しかし『PSYCHO-PASS』の世界において、日本が鎖国してまで保った安全を放棄し、移民を受け入れるメリットはどこにあるのでしょうか?
この点に、『PSYCHO-PASS 3』の重大なテーマがあると考えられます。
私自身、いくつか考えてみたのですが、正直どれもどれも説得力にかけ、はっきりいってわからなくなりました。
果たしてシビュラシステムは『PSYCHO-PASS』の世界で「神」に近い存在にまで登りつめるのでしょうか?
それとも「シビュラ」という語の由来通り、アポロンの信託を受ける巫女のように、「神」のしもべにとどまるのでしょうか?
今後の展開に注目です。
Ⅵ. おわりに
常守「何を企んでいるの?」
(中略)
シビュラ「いずれ我々は、偽らざる姿を公のものとするべきなのです。すべての市民が、シビュラの正体を認識し、了解した上で、我々による統制を享受するようになる環境を整えること、この課題の達成は、将来の人類社会により盤石な安定と発展をもたらすことでしょう」
(中略)
常守「人間を甘く見ないことね。私たちはいつだってよりよい社会を目ざしている。いつか誰かがこの部屋の電源を落としにやってくるわ。きっと新しい道を見つけて見せる」
(『PSYCHO-PASS』第24話「完璧な世界」より)
シビュラvs常守、システムvs人間、正義vs正義……この対立軸が『PSYCHO-PASS』の根底にあるとするならば、「3」もその延長線上にあるのでしょうか?
開国は、シビュラによる「神」への新たな一歩、ということなのでしょうか?
そして常守は、「人間」の正義を貫いた結果、幽閉されてしまったのでしょうか?
「犬」、「狐」、「狼」、そして「神」……役者はそろいました。
果たして「犬」は「狐」を、「狼」を捕らえられるのか、それとも彼らは「神」によって石に変えられてしまうのでしょうか?
今、私たちはその運命を目撃しようとしているのです――
今回は『PSYCHO-PASS 3』についての感想・考察を記事にしました。
再開一本目が『PSYCHO-PASS』の記事というのは嬉しいものです。
もしかしたらまた1月くらいにお休みをいただくかもしれませんが、とりあえず当分は続けられそうです。
またこれをお読みになっている方々と、アニメ『PSYCHO-PASS 3』をより楽しめたなら、とても嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。また次回お会いしましょう。
<次回>
※<追記11/1>記事の中で、「些々河」を誤って「些々川」と表記していたので修正いたしました。お詫びして訂正します。
<参考サイト・文献>
・TVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス 3』公式サイト
・[#001]PSYCHO-PASS サイコパス 3 - 漫画:橋野サル/原作:サイコパス製作委員会/(C)サイコパス製作委員会 | 少年ジャンプ+