はじめに

作業中や入眠時にはだいたいずっとYouTubeを流しつづけており、たとえば図のような視聴時間になっている。
もちろんずっと集中しているわけではないが、今年もYouTubeをたくさん見たので、ベストYouTubeを発表したい。
1. GeoGuessr関連の動画
春にはGeoGuessrにハマっていたのでGeoGuessr関連の動画を多く見た。
ハマったきっかけは、毎年開かれるGeoGuessrの世界大会のアジア予選がおもしろかったから。
詳しくは以下の(同人と運営している)noteに記した。
そもそもGeoGuessrに大会なんてあるんだ、と初めは私も驚いたが、地域を特定する手がかり——「メタ」と呼ばれる——も、思いもよらぬ方法が数多くあり、非常におもしろい。
国特定のために、植生や言語、電柱などのインフラが手がかりになることは十分想定できるが、たとえば、撮影に使っているGoogle Carにテントが乗っていたらモンゴル確定、Google Carの後ろにパトカーが付いてきていたらナイジェリア確定など、奇想天外なメタも少なくない。
興味があるという方は、たとえば以下の3つの動画のどれかから見てみるのがよい。
①GeoGuessr - RTA in Japan Summer 2023
ランダムな場所を30ヵ国連続で当てる速さを競うRTA。
公認プレイヤーのDaig_Oさんが、国当てのチップスを紹介しながら実践してくれる動画。自分もここから入った。
②【切り抜き】東大卒らによるGeoGuessrマダガスカル挑戦集【GeoGuessr】
QuizKnockによるマダガスカルの特定方法。
マダガスカルの地域当てのための手がかりは特殊なものが多く面白い。
③GeoGuessr World Cup 2024 決勝戦
2024年の世界大会決勝。
ぜひプロのスーパープレイを見てほしい。
さらにハマったら、国当ての基礎の動画や日本代表のしいなさんの解説動画、公認プレイヤーのDaig_Oさん、Stephenさん、Kaiさんの動画などもおすすめ。conkaniさんの動画も、バラエティとしての完成度も高くおすすめ。
*
GeoGuessrにはいろいろな遊び方があり、大会のように必ずしもデュエルをするだけでない(というより、デュエルをしない遊び方のほうがふつうはなじみ深いだろう)。
デュエルにはランクシステムなどもあり、Bronze→Silver III→Silver II→Silver I→Gold III→Gold II→Gold I→Master II→Master I→Championの順番にランクが上がっていく。自分はMaster Iまでは上がることができ、レート1000までは到達した。

Master Iに上がってからは苦労し、夏にはとてつもなく忙しくなったため、一度辞めてしまった。いつかは最高ランクのChampion帯に行ってみたい。
ちなみに、現在の世界1位のレートは2380くらいなので、実はChampion帯(レート1200以上くらい)に上がってからのほうが先が長い(とはいえ、レート1600くらいあれば日本で40位以内には入れるので、Champion帯に辿り着くだけでかなりハイレベルではあるのだが)。
ふつうに景色を見るだけでも楽しいし、地理を学べるのも良いところ。国の場所や都市の名前、国旗なども自然に覚えるし、植物分布や建築様式などにも詳しくなった。
各国のチップスは以下のPlonk Itという攻略サイトでかなり網羅されている。このサイトを読むだけでもそうとう楽しいし、本当に完璧に覚えれば、Champion帯くらいまでは余裕で行けると思う。
良い趣味にもなるので興味がある方にはぜひ一度やってみほしい。
2. きぜつちゃん・敷嶋てとら
『ドカ食いダイスキ! もちづきさん』と『ちいかわ』はある種の風刺マンガとしても読めると考えていて、そうだとすれば、2つのマンガに共通するのは現代日本における生活と労働、そしてその裏返しとしてのドカ食い(気絶)であるように思う。
きぜつちゃんもまた、ドカ食いの系譜にあり、キャラの立ち絵を活かしたVlogのスタイルや「抽象名詞+ちゃん」という名づけ、VTuberなどを彷彿させる手元のみをカメラに映すスタイルなど、2025年という地点をもっとも象徴的に物語るチャンネルだと感じた。

ドカ食い(気絶)は、(初めは違ったかもしれないが)生活と労働(貧困)の裏返しだととらえることができるように思う。もちろん、当人たちは好きでやっているのだし、視聴者たちもまた、その「貧しさ」から快楽を得ている。
もちろん、そのような鬱陶しい御託は抜きに、そもそもが魅力あふれるチャンネルであることは疑いようがない。編集のリズムは心地よく、キャラの立ち絵やサムネイルなども眼を惹くし、なにより、きぜつちゃんの声が「きぜつちゃん」というネーミングやドカ食い(気絶)と相性が良すぎる。
今後の活躍も目が離せないチャンネル。
*
ところで、こうしたVTuberとVlogを掛け合わせたようなスタイルは明らかに近年の流行りであると思う。こうした傾向をもったチャンネルとしてほかに、敷嶋てとらを紹介しておきたい。
敷嶋てとらは、食べ歩きや廃墟巡り、旅行等をVlogとして出している動画勢のVTuber(と言っていいと思う)。
少しサブカルっぽい雰囲気があり、廃線や廃墟を好んで訪れるような動画は、知的好奇心も刺激してくれる。飲酒をとくに好み、オリジナルビールの製作や酒造とのコラボなどもしている。
敷嶋はきぜつちゃんとは異なり、2次元の立ち絵ではなく、3Dモデルを活かしたVlogづくりを試みている。伝統的な動画勢という印象を抱かせる(実際には細かな技術革新があるはずだが)このスタイルが人気を集めている理由のひとつなのかもしれない。
こちらも目が離せないチャンネル。
*
ところでVlogと言えば、2025年は以下の動画が核心的だった。
こちらは敷嶋てとらとは言ってみれば正反対のアプローチをとっており、2Dの手描き作画でVlogをつくっている。たとえば2Dであるはずの身体が現実に介入してくる以下のようなシーンが注目を集めた。

いくらでもやりようがありそうだが、こうした事態が注目を集めるということ自体が、2D手描き作画への飽くことのない信仰とその魔法を思わせる。2D作画が「魔法」をかけられること自体は喜ばしいと思うので、どうかそのことが「異教」の排斥につながらないことを切に願う。
この動画もまた、2025年のメルクマールであったと思う。
3. にじさんじ
今年もまたVTuberを多く見て、たとえば下半期はミリプロにはまるなどしていたが、全体として追いかけていたのは今年もにじさんじだった。
基本的には栞葉るりのオタクをしているので、ファンクラブに入り、推し活専用のアカウントで感想をつぶやき、ライブを見るなどしていた。今年はマイクラ企画や書籍の発売、広島公演、年末のVRライブなど、推しが大活躍の一年でたいへん充実した推し活となった。
が、2025年はそれでは飽き足らず、切り抜き動画の作成も始めた。基本的にはPremiere Proを使って動画を作成し、VTuberの切り抜き動画によくあるスタイルに倣ってフリーの音源や素材を駆使した。凝り性のため数は投稿できなかったが、数万とか数十万再生くらいは回るようにはなった。
投稿者側に回ると当然、いろいろなものが違って見えてくる。たとえば、切り抜き動画にすらアンチコメントが来て勉強になった。また、そういうときには、「このユーザーをチャンネルに表示しない」という凄まじい機能、つまり、コメント投稿者に知られることなく他のユーザーからはコメントを見えなくする機能を利用して対処できることも知った。けっこう簡単にコントロールが効く。
この「けっこう簡単にコントロールが効く」ということが恐ろしかった。いわゆる悪質な切り抜きなどはあからさまだが、実際には、もっと細かなニュアンスの調整や道徳的判断が問われていることが実感として分かった。
分かりやすいのは過激なサムネイルなどや文脈を欠いた発言の切り抜きなどだが、そのようなことで判断を下すことはそこまで難しくない。実際にはもっと細かなレベル、たとえば、ライバーが間違って覚えている単語を断りなく正しい語彙に直していいかとか、字幕に起こす都合で助詞を多少変更していいかといったことで迷うことがあった。
ともあれ、動画をつくるのは普通に楽しい。効果音を考えることも、文字を装飾することも、字幕のタイミングを考えることも、いろいろな面で勉強にもなった。
忙しくていまは更新できていないがいつかまた再開したい。
*
ところで、今年の注目コンテンツは『BLEACH Rebirth of Souls』の実況だったと思う。
物語の筋を追いながら格闘ゲームを楽しめるコンテンツとして、『ドラゴンボールZ:KAKAROT』が記憶に新しいが、2025年はその『BLEACH 』版が流行った。
要するに、いわゆる「同時視聴」の画面を、配信者とリスナーが個々別々に見る必要がなくなったということだと思う。楽しみ方自体は、配信者のリアクションを見て楽しむということだから、「同時視聴」と本質は変わらない気もする。
私自身、『BLEACH』も好きであるし、件のゲーム実況もとても楽しく見た。にじさんじで実況している人の実況は一通り全部見たし、この機にアニメ300話分くらいを見返すという気の狂ったこともしていた。
(たとえば以下のフレン・E・ルスタリオの実況などが分かりやすい)
こうしたゲームの何が楽しいのか、どうして人気なのか、答えることは容易ではない。ただ、基本的には、期待されているリアクションというものがある気がする。愛染がミームを喋ったら手を叩いて笑って欲しいし、「心か」とか「同じ人を好きになる」で感動してほしいわけである。
もちろん想定外のリアクションも、「外れ」過ぎなければ「歓迎」される。たしかにそうだよな、とか、自分が気づかなかったことに推しが気づいたら嬉しい、ということもあるだろう。
こう書くと、視聴者がいかに傲慢かということがよく分かる。他人があるべき感情を代理=表象してくれることを求めることの残酷さというのも感じる。しかしそれがたまらなく気持ち良いということもよく分かる。分かってしまう。
こう書くと、なにかそれが悪いことだとも言いたげだが、そう謂いたいわけではぜんぜんない。むしろそういうものだと思う。およそすべての表象が、そうやって感情を——自分が知らない感情も含めて——代理=表象して、われわれはそれを何らかのかたちで共有し、心を揺さぶるのだと思う。
そういうスリリングさを、それでもなお、あきらめきれないのが人間なのだと思う。
4. ショート動画
ショート動画も無限に見た。
2025年は何と言ってもぴよひこが復活して最高だった。
あとは、(言葉を選ばず言えば)どエロいおじ様が料理を作るだけの動画を延々と見ていた。
5. ベストアニメーションムービー
例年通り2025のベストアニメーションムービーも再生リストにまとめたので詳しくはそちらを見ていただきたい。
一番好きだったムービーは、『スタレ』の2ndアニバーサリースペシャルアニメ。何度見ても良い。
あと、これもすごかった。
おわりに
YouTubeはたくさん見た方がいい。
【関連記事】