一作品としてのアニメPV
遅くなってしまいましたが……
大遅刻となってしまったのですが、最近は毎クールごとにこの企画をやっていたので、2019夏でもやりたいと思います。
前クールはとにかく『さらざんまい』にかかりっきりで、他のことはあまりできなかったのですが、新しい試み(note)も完了し、余裕も出てきたので、今クールもやっていきたいと思います。
アニメPVそれ自体を評価しよう
内容としてはいつも通りで、2019夏シーズンのアニメPVを評価してランキング形式に並べたものです。
前回はアニメPVのおもしろさと本編全体のおもしろさとに相関関係があるのか? などと考えたのですが、もともとの企画の趣旨としては、アニメPVは単体として、それ自体で芸術的価値があるよねと、そういう話だったので、今回は素直にアニメPV自体をじっくり評価していきたいと思います。
ちなみに前クールは……
ちなみに前クールは以下のように評価していました。
第5位 TVアニメ「鬼滅の刃」第2弾PV
絵7 音7 構成7 総合点……21点
第4位 「続・終物語」本予告
絵7 音8 構8 総合点……23点
第3位 さらざんまい本PV
絵9 音9 構8 総合点……26点
第2位 アニメ『ULTRAMAN』最新PV
絵10 音9 構9 総合点……28点
第1位 TVアニメ「キャロル&チューズデイ」PV
絵10 音10 構9 総合点……29点
※詳細は下記記事参照
PV単体として見た評価は今も変わりません。
ちなみに結局本編の方はどうだったのかというと、1位のキャロチュー以外は良かったのではないかと思います。『さらざんまい』については他記事でさんざん語ったのでよいとして、『続終物語』とか初見だったんですが物語シリーズとして個人的には好きでした。
『ULTRAMAN』はCGアニメで評価も難しかったのですが、CGはすごい(小並感)し、話もふつうに面白かったので良かったですね。ネトフリ限定のアニメはこれからも増えていくような感じはありますが、ネトフリ的には加入者も増えて良いだろうなという感じはあります。視聴者の立場としてはやっぱりテレビでやってくれよ、というのが本音かもしれませんね。
キャロチューは音楽にくわしい人によると音楽がバカ強いらしいのですが、ストーリー展開的には正直あんまり面白くないですね……。歌はとても良いと思います。
個人的には前クールは再放送の『ACCA』がすさまじく良くて、アニメとしての完成度が高かったですね。
前置きが長くなってしまったのですが、さっそくやっていきます。
一応いつも通り評価基準を貼っておきますが、もちろん飛ばしてもらって結構です。
2019年夏シーズンのPV評価手順と基準
手順
- うずらインフォさんが作製しているテレビアニメ一覧画像を参考に、今期新たにスタートするアニメのPVを視聴する。うずらインフォさんのテレビアニメ一覧画像にない作品や継続枠、再放送枠のアニメは除外する。
- " PV " と題されたものが複数ある場合は、そのすべてを視聴して評価する。" PV " と題されたものがない場合は、それに準ずるもの(テレビCM、番線CMなど)を見て評価する。PVに準ずるものも存在しない場合は、無効とする。
- 原則として、1アニメにつき1PVをランキングの対象とする。1アニメにつきPV(もしくはそれに準ずるもの)が複数ある場合は、それらの中で最も評価の高いPVをランキングの対象とする。
- 「絵」、「音」、「構成」、「期待度」の4つ3つを基準に点数をつける。(評価基準は以下)
- 点数が多い順にランキングにし、(同点の場合、同順位とする)上位5PVを選抜する。
基準(すべて10段階評価)
- 「絵」……作画はもちろん、動画もこの項目に含めて評価する。アニメにはそれぞれの絵柄があるので、絵の安定度を重視する。
- 「音」……音楽全般を評価する。BGMはもちろん、OPやEDも評価対象とする。音楽それ自体の価値を評価するのは難しいので、音をかけるタイミングや大きさやバリエーションなどを重視する。
- 「構成」……PVの構成力を評価する。場面の並び順やセリフのチョイス、どういう物語なのかの要約力などを見る。
このアニメPVがすばらしい2019夏
第4位 TVアニメ『とある科学の一方通行』番宣PV(OP Ver.)
絵……★★★★★★★★★☆
音……★★★★★★★★★☆
構……★★★★★★★★☆☆
総合点……26点
<コメント>
絵に関しては戦闘シーン込みで期待度の高い仕上がり。
音はBGM、SE、主題歌あり。無音をつくるなど盛り上げ方がうまい。
構成も「世界が危ない」などゾクゾクさせるようなセリフ、アクセラレータのゲスカッコイイセリフのチョイスなどポイントが高い。「ダークヒーロー」とわざわざテロップで入れたのも物語をわかりやすく伝える点でポイントが高い。
とあるシリーズが好きな人はもちろん、とあるシリーズを少しかじったことあるくらいの人でも見てみようかなと思うようなつくりになっているのではないだろうか。
第4位 TVアニメ 「Dr.STONE」 本PV第1弾
絵……★★★★★★★★☆☆
音……★★★★★★★★★☆
構……★★★★★★★★★☆
総合点……26点
<コメント>
導入が上手い。「科学」というキーワードを含めた大切なセリフを冒頭に持ってきつつ、人類が「石化」してしまった後という世界観の提示も導入でこなしている。「西暦5738年」とテロップを入れることで未来の話なんだということもわかる。
音楽も壮大な世界観に見合った壮大なBGM。主題歌への盛り上がりも良い。
絵に不安要素はあまり見せないが、大きく加点する点はないと判断したのでこの点数。
PVとしてはお手本のようなPVで、かなりワクワクするつくりになっている。
第3位 TVアニメ「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-」第3弾PV
絵……★★★★★★★★★☆
音……★★★★★★★★★☆
構……★★★★★★★★★☆
総合点……27点
<コメント>
音楽が良い。BGMが良い上に、きちんとその上からでもSEを入れている点、セリフのテンポが良い点が評価が高い。
fateシリーズを知っている人ならばこれだけでかなりワクワクするのだが、fateシリーズを全く知らない人には話はあまりわからないと思う。ただそもそもfateシリーズを知っている層向けに作ってあると思うのでその点は多少考慮した。
舞台とテーマに見合った上質な絵と、品の高い音楽で占めていてPVとしての完成度が高い。
第2位 TVアニメ「荒ぶる季節の乙女どもよ。」第2弾PV
絵……★★★★★★★★☆☆
音……★★★★★★★★★★
構……★★★★★★★★★★
総合点……28点
とにかくインパクトがある。とにかく構成と音の入りが素晴らしい。「死ぬまでにしたいこと」という素朴な質問から「SEXです」で見事にオチている。
その後も「性」に執着されたように目まぐるしくセリフが重ねられていく。その際セリフよりもBGMの音量が大きいのが特質して素晴らしい点。視聴者もそこでぐるっとかき乱されて→無音→からの主題歌の流れが完璧。
その後にセリフと主題歌がかぶったときにはきちんと主題歌の音量を落としてセリフを強調。細かな気遣いが功を奏している。赤い背景に白い字抜きも生えている。
インパクトがあってとても良いPV。
第1位 「炎炎ノ消防隊」本PV
絵……★★★★★★★★★★
音……★★★★★★★★★★
構……★★★★★★★★★☆
総合点……29点
絵が文句なく素晴らしい。まずパッと引きの都市絵が見せられて、わっ美術すごいなとなる。それで世界観の作りこみが完璧に見えてしまう。
そしてもちろん見せ場は炎の場面なのだけれど、期待以上に動くし、炎の音も良い。戦闘シーンも、ここが魅せ場です!と言わんばかりにすごい作画。
構成的にもどういう世界なのか、なぜ戦うのか、どういう場所が舞台なのか、きちんとわかるようになっている。盛り上げ方もうまく、主題歌が二段階で盛り上がるつくりなのがはまっていて、最後はすっと音が切れてタイトルでオチる。
世界観と作画に魅せられるとても素晴らしいPV。
※アマプラで見られます↓
2019夏総評&まとめ
総評
2019夏シーズンは総じてクオリティが高かったです。前クールの4位が23点なのですが、今クールで24点以上の作品はけっこうありました。例えば『ヴィンランド・サガ』、『ギヴン』、『ダンベル何キロ持てる?』あたりがそうでした。
1位の『炎炎ノ消防隊』は、前のクールが始まる以前からPVができてて、これはすごいぞと思っていたのですが、本PVも案の定素晴らしかったです。
今期はもう始まっているわけですが、改めてPVを全部見るとかなり見方が変わりますね。ランキングに入っているアニメは今のところなかなか良いと思いますが、反対に入っていないアニメでも面白いものはあります。『コップクラフト』とかですかね。
番外編
ちなみになのですが、最近公開されたPVの中で、アニメではないけれど素晴らしかったPVがあります。
これですね。これのどこが素晴らしいかというと、このPVの前半部分の新海誠作品ダイジェスト部分です。
一部の人たちの間では、新海作品全体の批評に当たる、なんて言われていたみたいですが、その通りなように思えます。
このPVの前半部分はホントに面白いです。
駆け足になりましたが今回は以上です。
PVを見る限り今期は豊作なのでは?と思うので、気になる作品があったらご覧になってみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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