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このアニメPVがすばらしい2019春

アニメPVは面白さの指標になるか?

アニメPVはそのアニメの面白さの指標になるでしょうか?

PVが面白ければ面白い方がそのアニメは面白く、PVが面白くなければ面白くないほどそのアニメは面白くないということがあったりしないでしょうか……?

そんなことを考えつつ、私は前期(2019冬クール)のアニメPVを独断と偏見で評価し、ランキング形式にしました。(↓下記事参照)

結論から言うと、本当にPVが面白ければアニメが面白いかのか?と言えば、当然ながらそんなに単純ではありませんでした

ただし、どうやらある観点から見ると、PVもアニメの面白さの指標になりそうだな、ということがわかってきました。

今回はそんな前回の反省をしつつ、来期(2019年春)のアニメPVの評価をランキング形式で発表したいと思います。

前置きが長くなってしまったので、ランキングから見ることをオススメします。目次はクリックしてとべます。

ではやっていきましょう。

 

 

2019冬シーズン(前期)の反省

PVの「絵・音」の出来は本編の「絵・音」の出来に比例する?

まず結論から言うと、アニメPVは「物語」が面白いか否かの指標にはならないが、「絵」や「音」に関する指標にはなりそうだ、ということが考えられます。

前期のアニメPVに関して、私は以下のような評価をしていました。

第五位 『ブギーポップは笑わない』 ティザーPV

(絵5 音4 構成4 期待度3 総合16点)
第四位 「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦」第2弾PV

(絵4 音5 構成5 期待度4 総合18点)
第二位 「賭ケグルイ××」PV

(絵5 音5 構成5 期待度4 総合19点)
第二位 「revisions リヴィジョンズ」本PV

(絵4 音5 構成5 期待度5 総合19点)
第一位 「モブサイコ100 Ⅱ」 第2弾PV

(絵5 音5 構成5 期待度5 総合20点)

 

※絵・音・構成・期待度の項目はそれぞれ5点満点で、総合では20点満点

上記の作品を見ている方は、あるいは納得していただけるかもしれないのですが、PVの「絵」・「音」の評価と、アニメ本編自体の「絵」・「音」の実際の出来栄えとは、そこまでかけ離れてはいないように感じました

もちろん、『ブギーポップ』はPVほど「絵」が安定していなかったり、『かぐや様』はもう少し「絵」の評価を高くしても良いかもしれないと思われるなど、多少誤差はありました。

しかし、例えば『モブサイコ』に関しては、確認できているだけでPVに8話までの映像が盛り込まれており、PV自体がアニメの計画的な制作を物語っていたと言っても過言ではないでしょう

以上のように、PVの「絵」・「音」の評価とアニメ本編の「絵」・「音」の出来栄えはおおよそ比例しているように思われます

しかしながら、「絵」・「音」以外の点、主に「物語(ストーリー)」に関してはアニメPVの評価はあまり参考にならないのではないかと感じました

PVは本編の「物語(ストーリー)」の面白さを判別できない?

当然と言えば当然なのですが、PVだけではアニメ本編の物語(ストーリー)の面白さは判別できないなと感じました

たとえるならそれは、短距離走は得意でも長距離走は苦手な人と同じです。

PVがどんなに面白そうでも、アニメ本編の物語は面白くないということはあり得るわけです。

前期で言えば、残念ながら『revisions リヴィジョンズ』がその例だったのかなと思います。

『revisions リヴィジョンズ』は、本編においても「絵」や「音」は悪くはなかったのですが、「物語(ストーリー)」ははっきり言って面白くありませんでした。

当たり前かもしれませんが、やっぱり短い時間を魅せる力長いスパンの物語で魅せる力は別物なのだなと思いました。

アニメPVの「面白さ」とアニメ本編の「面白さ」にははたしてどのような相関関係があるのか、来期からも引き続き考えていきたいと思います。

長くなってしまいましたが前期の反省は以上です。

さっそく来期の評価に入りましょう。

 

2019年春シーズン(来期)のPV評価手順と基準(太字は改訂項目)

 

手順

  1. うずらインフォさんが作製しているテレビアニメ一覧画像を参考に、今期新たにスタートするアニメのPVを視聴する。うずらインフォさんのテレビアニメ一覧画像にない作品や継続枠、再放送枠のアニメは除外する。
  2. " PV " と題されたものが複数ある場合は、そのすべてを視聴して評価する。" PV " と題されたものがない場合は、それに準ずるもの(テレビCM、番線CMなど)を見て評価する。PVに準ずるものも存在しない場合は、無効とする。
  3. 原則として、1アニメにつき1PVをランキングの対象とする。1アニメにつきPV(もしくはそれに準ずるもの)が複数ある場合は、それらの中で最も評価の高いPVをランキングの対象とする。
  4. 「絵」、「音」、「構成」、「期待度」4つ3つを基準に点数をつける。(評価基準は以下)
  5. 点数が多い順にランキングにすし、(同点の場合、同順位とする)上位5PVを選抜する。

 

基準(すべて10段階評価)

  • 「絵」……作画はもちろん、動画もこの項目に含めて評価する。アニメにはそれぞれの絵柄があるので、絵の安定度を重視する。
  • 「音」……音楽全般を評価する。BGMはもちろん、OPやEDも評価対象とする。音楽それ自体の価値を評価するのは難しいので、音をかけるタイミングや大きさやバリエーションなどを重視する。
  • 「構成」……PVの構成力を評価する。場面の並び順やセリフのチョイス、どういう物語なのかの要約力などを見る。
  • 「期待度」……PVを見て、どれくらいこのアニメを見たいと思えるか評価する。なるべく客観的にどれだけアニメに引き込ませようとしているかを判断したつもりですが、だいたい主観です。ご容赦ください。

 

改訂項目のまとめ

  • ランキングへの選出を1アニメ1PVまでに制限しました。もよりそのつもりだったのですが明記していなかったので今回書き加えました。
  • 評価項目から「期待度」を削除しました。もともとけっこう主観的な評価だったので、より客観性を重視するために「期待度」の評価はしないことにしました。(とはいえ、もちろんどこまで言っても主観性はぬぐえませんが……)
  • 評価段階を5段階から10段階に増やしました。「期待度」の項目が消えたこともあり、細かい点数をつけるためにも10段階がふさわしいと考えました。だいたい1~2→とても悪い、3~4→悪い、 5~6→普通、7~8→良い、9~10→とても良いくらいの感覚で点数をつけています。

 

このアニメPVがすばらしい2019春

第5位 TVアニメ「鬼滅の刃」第2弾PV


TVアニメ「鬼滅の刃」第2弾PV 2019年4月6日より順次放送開始

絵……★★★★★★★☆☆☆

音……★★★★★★★☆☆☆

構……★★★★★★★☆☆☆

総合点……21点

 

<コメント>

絵に関してはufotableということもあり少し期待していたが、PVからはそこまで良い印象は受けられなかった。鬼滅の絵柄は見事に再現しているように思われ、背景美術も良い気がするが戦闘シーンがあまり見られなかったので高評価はしがたい。

音に関してはまずBGM1種、SE、主題歌が入っている点を評価して7点。ただし特にそこから加点する要素も見られなかったので7点どまり。

構成は基本的で、登場人物のビジュアルが一通り見られるようになっている。「妹を救うため」など、なんとなく序盤の目的もわかるようにはなっている。7点。

 

第4位 「続・終物語」本予告 


「続・終物語」本予告 │ 2018年11月10日より全国劇場にてイベント上映開始!

絵……★★★★★★★☆☆☆

音……★★★★★★★★☆☆

構……★★★★★★★★☆☆

総合点……23点

 

<コメント>

これを今回のランキングに入れるか否かは迷っていたのだが、テレビでは初放送であるということを免罪符にしてランキング入り。正直他にあまり良いPVがなかった……。

絵に関してはいつもの物語シリーズという感じだが、安定感がありそうな点を考慮して7点。

音に関してはBGM2種、SE、主題歌が入っていることを加味して8点。音のタイミングも良い。主題歌のサビ前で無音が入っているのもポイントが高い。

構成に関しては本編の導入、過去のちょっとした回想、「つじつまの合わない鏡の世界」という謎を期待させる形で挿入できているという点で評価が高い。8点。

 

第3位 さらざんまい本PV


さらざんまい本PV

絵……★★★★★★★★★☆

音……★★★★★★★★★☆

構……★★★★★★★★☆☆

総合点……26点

 

<コメント>

絵に関して、街の外観やテレビ番組風のテロップなど、作りこみが感じられる。爆発など動きも十分。絵の安定度は気になるが、PVを見る限りではよく動いている。9点。

音楽はBGM1種、SE、ed、opまで含んでいて評価は高い。9点。

構成自体は普通だが、「つながり」というキーワードは残るようになっている。その点を評価して8点。

 

第2位 アニメ『ULTRAMAN』最新PV


アニメ『ULTRAMAN』最新PV解禁! 2019年4月1日より、Netflixにて世界同時独占配信!

絵……★★★★★★★★★★

音……★★★★★★★★★☆

構……★★★★★★★★★☆

総合点……28点

 

<コメント>

絵に関しては、CGだけれど変身シーンや必殺技シーンなど魅せるシーンできちんと魅せているなという印象で高評価。爆発や光のエフェクトなどもカッコよく、端正な印象がある。満点……で良いのではないでしょうか……?

音に関してはBGM1種、SE、主題歌を確認した上で、SEにこだわりを感じた点を加味して9点。音の使い方も良い。

構成に関しては物語の背景を冒頭で導入し、登場キャラの紹介、変身シーンの挿入など、魅力となるポイントをきっちり抑え、なおかつ量も多く盛り込まれている点を考え9点。

 

第1位 TVアニメ「キャロル&チューズデイ」PV


TVアニメ「キャロル&チューズデイ」PV

絵……★★★★★★★★★★

音……★★★★★★★★★★

構……★★★★★★★★★☆

総合点……29点

 

<コメント>

絵から世界観のつくりこみが伝わってくる。演奏シーンは生の息遣いを感じる。表情が良い。エフェクトもよい。正直この絵がどれだけもつのか心配ではあるけれど、PVではなんとかなっているし、期待の意味もこめて満点にさせてください……!

音は満点で良いのではないでしょうか。音の入り、タイミング、質、どれをとっても減点するところはないと思います。

構成は普通と言えば普通。ただ演奏シーンという見せ場を入れていること、登場人物を一通り見せていること、世界観もある程度提示していることなどを加味して9点。

 

 

2019春総評&まとめ

正直、2019春シーズンのアニメPVは不作でした。

『さらざんまい』『ULTRAMAN』『キャロル&チューズデイ』の3つが抜きん出ている他は、あんまりこれといったものがありませんでした。

他にも『ガンダム オリジン』『進撃の巨人』『文豪スレイドッグス』『フェアリーゴーン』『消滅都市』などが候補にありましたが、どれも今一つ何かが足りませんでした。

PVの出来だけを見れば、前期の2019冬の方が良いものがそろっていましたね。

前期と来期を通して見ても、やっぱり『モブサイコⅡ』のPVを超えるものはなかったかなと思います。

ただ先に挙げた『キャロル&チューズデイ』『ULTRAMAN』『さらざんまい』の3つは期待できそうだと感じました。

特に『キャロル&チューズデイ』は、名前を聞いたことがあるだけでよく知らなかったのですが、調べてみるとボーカルオーディションを行ったり、演奏シーンを実写で撮影して絵に起こしたり、本作りも綿密な打ち合わせを重ねたりと、かなり熱心に作りこまれているようでした。

そういう意味で、期待のもてる作品に出会えるのは、アニメPVを見る上でお得な点と言えるかもしれません。

それから素人目ながら予算の差はなんとなく感じられました。

もちろんPVからも予算の差が少し感じられるのですが、PVを見に行くために経由する公式HPの差にもけっこう露骨に予算の差が表れているなと感じました。 

予算の差とPV、アニメ本編との相関関係を探るのは難しそうですが、来期はそのことも頭の片隅に置きながらアニメを見てみようかなと思います。

私自身、このような記事を書いていると新たな発見があり、得することが多いなと思うのですが、読者のみなさんにも何かしら資するところがあると嬉しいです。

来期のアニメも楽しみですね。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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