野の百合、空の鳥

アニメ・漫画・文学を「読む」

2020年をふりかえって

0.0. はじめに

0.1. 「絶望」

「私は絶望している」と書きつけたとしましょう。

次の瞬間、私は吹き出してしまいます。というのは、そこに書きつけられた「絶望」が、私が感じている当の絶望からあまりにもかけ離れているからです。

そこに刻まれた「絶望」の二文字はとても乏しく、あまりに私の苦悩から遠ざかっている、それが滑稽で、私は笑ってしまうのです。

 

でももちろんそれは「絶望」という言葉だけに限りません。「喜び」とか「悲しみ」とか、あるいは「私」だって、いろんな言葉に言えることです。

そこに書かれたものと、「本物」との距離。2020年は、ずっとそのようなことにとらわれていたように思います。

 

0.2. おすすめの作品紹介

いきなり何を言ってるんだという感じかもしれませんが、まあいつものことです(笑)

わかる人はわかると思うのですが、上の話はブランショの文学理論を元にした話です。『俺ガイル』をはじめとして、今年はかなりブランショにとらわれていたように思います。

 

それはいいとして、例年通り今年をふりかえっていきたいと思います。今年はあまりブログの方で活動ができなかったので、時系列順にブログの活動をふりかえるのではなく、ジャンルごとに2020年をふりかえろうと思います。

そのとき、ただふりかえるだけでは読んでておもしろくないと思うので、今年はおすすめの作品を一緒に紹介したいと思います。前から言っていることですが、私はおもしろいと思ったことは惜しみなくお伝えしたいですし、その方がみんなハッピーになれると思うのです(?)。

それから、もはや言うまでもないですが今回はですます調です。ですます調だと少し長くなってはしまうのですが、その方が性に合っているので、どうかしばしの間お付き合いください。

ともかく、いつも通り目次から飛べますから、ご興味のあるところだけでも読んでいただければと思います。それではやっていきましょう!

 

1.0. アニメ

1.1. 総括

2020年のアニメは平均すると毎クール10本くらい見ました。年のはじめの方はかなり見ていたのですが、終わりの方はあまり見られませんでした。

正直10本くらいだと、わりと見ようと思っていた作品+αくらいしか見られなくて、新しい出会いとか、「発掘」とかはあんまりなかった印象です。

そういうことなので、わりと知られている作品ばかりになってしまうかもしれないのですが、2020年のおすすめを3作品に絞って紹介したいと思います。

 

1.2. おすすめ紹介

1.2.1. ドロヘドロ

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1本目は『ドロヘドロ』です。『ドロヘドロ』は相当よかったです。全体的にクオリティが高く、仕上がっていました。私は原作から入りましたが、原作好きの方もかなり満足できるのではないかと思います。

見てない方向けにわかりやすく言えば、ダークな雰囲気が好きな方や独特なキャラクターに惹かれる方などには特におすすめです。

Netflix 独占配信だからなのか、そこまで見ている人が多くないように感じましたが、それは本当にもったいないと思うので紹介します。なんなら『ドロヘドロ』のためにネトフリ入ってもよいのではないでしょうか。

 

あと『ドロヘドロ』も脚本・シリーズ構成 瀬古浩司さん、音響監督 藤田亜紀子さんが参加されていましたね。今年はこのお二方の名前をお見かけすることが多かった気がします。

まあたぶんMAPPAつながりなんでしょうけれど(?)、瀬古さんは今年だと『デカダンス』、『呪術廻戦』、『進撃の巨人 The Final Season』の構成・脚本をやられていました。藤田さんは『22/7』、『魔女の旅々』、そして『呪術廻戦』の音響監督をされています。

以上の作品も私は全部見ていますが、やっぱりとにかく「安定感」がありますね。藤田さんが参加されている作品なんかも見てると、やっぱり音響監督の力はかなりアニメを左右するように思います。

 

1.2.2. id:INVADED

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2本目は『ID : INVADED イド:インヴェイデッド』です。これもとても良かったですね。良かったというか、これはどちらかというと私の好みですね。

というのはやはり脚本が(芥川賞候補にもなったことのある)舞城王太郎だからでしょう。代表作はおそらく『阿修羅ガール』とか『好き好き大好き超愛してる。』だと思うのですが、私は舞城が原作を務めた漫画『バイオーグ・トリニティ』がとても好きなので。

この方の作風はいわゆる「独特」なもので、それが『ID』でも表れていたように思います。とくに良かったのは6話で、これについてはTwitterでも少し言及しました。

それから話としても、一応ジャンルはSFミステリなので、舞城っぽさを抜きにしても話の筋も楽しんで見られるのではないかと思います。

一気見するのにも適した作品だと思うので、見てない方はぜひ。

 

1.2.3. 波よ聞いてくれ

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3本目は、言わずと知れた沙村広明原作の『波よ聞いてくれ』です。

先に言っておくと、どうしても人を選びます。いや、気持ちはわかるし、はっきり言って見られない人はたぶん見られないので無理に見ろとまでは言いません。

でも、アニメ『波よ聞いてくれ』は、それ単体で見て(つまりいろんなバイアス抜きに見て)、本当に良い作品に仕上がっているなと思ったのでぜひ紹介したいです。

 

このアニメの魅力は、やはり何と言っても「音」へのこだわりだと思います。それは話としてラジオ局が舞台となっているから必然ではあるのですが、しかしBGMやSEはもちろんのこと、セリフの入りなども含めてとにかくテンポ感がすごく良いです。

よくある喩えで言えば、作品全体が「音楽」あるいは「曲」になっているような感じです。BGMとかSEだけが「曲」なんじゃなくて、役者陣のセリフまで「曲」になっているんです。

特筆すべきは、やはり主人公鼓田ミナレ役の杉山里穂さんのお芝居でしょう。ミナレと同じ北海道出身ということが起用理由として大きかったとのことですが、しかしご本人の表現力は凄いです。凄まじいです。

 

それから構成・脚本も本当に素晴らしく、原作から本当に良いエッセンスを抽出して、かつアニメとして見栄えするような構成になっています。

しかしそれもそのはずで、『波よ聞いてくれ』の構成・脚本を務められているのは、仮面ライダーシリーズでメインライターなどもされている米村正二さんなのです。米村さんはアニメで言えばルパン三世シリーズやポケモン、プリキュアなど、本当に有名な作品の脚本を担当なさっていて、本当にベテランです。

恥ずかしながら、私はアニメが放映された後にやっと知ったのですが、しかしそれを知らなかったとしても、僭越ながら本当に学ぶところの多い構成・脚本だなと思って見ていました。

そういうことなので、一話などを見て大丈夫だなあと思った方にはぜひ最後まで見ていただきたい作品です。本当にアニメーションとして良いです。

 

1.3. 余談

紹介しきれない作品たくさんあるわけですが、良かった作品などはだいたいTwitterなどで言及しているし、私が言及するまでもないのかなという感じです(『映像研』とか)。それから個人的に熱意がある作品については記事にしたものもあります(『マギレコ』や『俺ガイル』)。

『俺ガイル』については、もうさんざん記事を書いているので、ここで言うことはないのですが、『俺ガイル』でブログを始めようとして始められなくて悔しくてこのブログを始めた、という当時の想いにやっと答えることができたように思います。

それから『俺ガイル』を通じて熱意ある方々と関りを持てたことは特筆に値するでしょう。好きなアニメを通じて人と触れ合えるという、なんだか懐かしいような、しかし大切なことを、2020年に改めて経験できたことは本当に良かったです。

 

今年は『俺ガイル』で手一杯でしたが、またいろいろなアニメについて記事を書けたらと思います。

来年は正直かなり忙しい予定なので、リアルタイムでの実況などは難しいかもしれませんが、いつも通り、気になったことは記事にしていきます。あるとすれば『チェンソーマン』とかですかね(さすがにまだ来年はやらないと思いますが)。

ともかく、今年もアニメーションの良さを味わった一年でした。総合芸術としてのアニメーションに賭ける、という気持ちはずっと変わりません。

来年も素敵なアニメに出会えますように。

 

2.0. 漫画

2.1. 総括

今年も数えるのがおっくうになるくらいには漫画を読みました。

一番読んでいたのはコミックDAYSの「もっとプレミアム」に登録していたときで、このサービスはマガジンとかモーニングとかアフタヌーンとか、講談社系の雑誌(約20誌)が購読できるサービスなので、本当にほぼ毎日、なにかしらの雑誌が更新されます。

これに登録していたときは本当にほぼ毎日届いた雑誌を読んでいて、かつ普通にいつも読んでる漫画も読んでいたので、相当漫画に時間を使っていました。

ただもちろん時間は有限なので、結局追いつけなくてやめてしまったわけなんですが、しかしサービス自体はとても魅力的でした。約20誌読めて月額960円、というのは本当に破格で(だってジャンプは1誌で定期購読980円なんですから……)、アフタヌーンファンの自分にはアフタヌーン読めるだけで960円の価値がありました(?)。

ともかく、漫画の方もいくつかおすすめを紹介しておきたいと思います。

 

2.2. おすすめ紹介

2.2.1. 伊図透の作品全部


犬釘を撃て! (アクションコミックス)

1つ目は伊図透の作品全部です。 厳密には2020年に出版された作品は『犬釘を撃て!』だけなのですが、しかしこの際なので伊図透という作家を紹介させてください。

伊図透は主に『コミックビーム』や『漫画アクション』に連載をもっている作家さんで、2018年には『銃座のウルナ』が第21回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門にて優秀賞を受賞されています。

初連載は2008年の『ミツバチのキス』なので、10年以上前から活動されている作家さんで、おそらく漫画好きの方なら知らない人はいないのではないかと思います(少なくとも私の周りの漫画に詳しい方はみんな知っていました)。

 

私はあまり漫画に詳しくないので、『銃座のウルナ』のときに初めて知って、過去作なども読んでいたのですが、正直そのときはあまりピンと来ていませんでした。

私が伊図透にドハマりしたのは、『銃座のウルナ』を完結後にたまっていた分を読んでからで、それが今年の初めくらいの出来事だったので、ここで取り上げている次第です。

そういうことなので、伊図作品の中でもまず真っ先におすすめしたいのが『銃座のウルナ』です。


銃座のウルナ 1 (ビームコミックス)

『銃座のウルナ』は、一年中雪に埋もれたリズルという島に、主人公の女性狙撃手ウルナ・トロップ・ヨンクが赴任するところから始まる物語で、序盤ではウルナたちレズモアの兵士たちと歯茎の形をした異形の蛮族ヅードとの戦いが描かれます。

その序盤から「漫画」がめちゃくちゃ巧く、一切の気の緩みも許さない作画表現も素晴らしいのですが、私が好きな点は、伊図透の話に厚みを持たせる力です。これほど話に厚みを持たせるのが上手い漫画家というのはそういないのではないでしょうか。そしてこの力は終盤になればなるほど味わえるように思います。

ネタバレをするわけにはいかないので、あとはもう読んでもらうほかないのですが、本当に話の運び方、そのひとつひとつが重厚な印象です。もちろんそれは漫画表現と表裏一体なわけですが、それを含め、やはり話の深みが凄いです。

まあだからこそ最初に紹介した『犬釘を撃て!』のような渋い作品も、ちゃんと渋いまま書けるのでしょうね。正直やはり並大抵の作家だと、渋り「フリ」になってしまうわけですが、伊図透は本当に「ちゃんと」渋いです。

ともかく、伊図透は『エイス』や『おんさのひびき』などの中長編はもちろん『辺境で』収録の短編なども全部良いので、ぜひ読んでいただきたいです。

 

2.2.2. 高丘親王航海記


高丘親王航海記 I (ビームコミックス)

2つ目は近藤ようこ『高丘親王航海記』です。

こちらの方は結構有名かもしれません。というのはまず近藤ようこさん自体が有名ですし、澁澤龍彦の『高丘親王航海記』も知っている人は知っているだろうからです。

近藤さんはもともと民俗学や文学などの素養を生かされた漫画で有名で、近年では、坂口安吾の小説『夜長姫と耳男』や折口信夫の『死者の書』など、有名文学を漫画化していることでも有名です。

 

そしてこの『高丘親王航海記』も系列としてはそれらと同じで、こちらは澁澤龍彦の小説を原作としています。

澁澤龍彦といえば、少しカルト的な要素、エログロの要素をイメージされる方もいらっしゃるかもしれませんが、『高丘親王航海記』はどちらかというと幻想小説といった装いで、近藤さんの筆致はさらにそこから毒気を抜いたような、良い意味でシュールな表現になっていると思います。

四コマ漫画やギャグマンガだとこういうテイストは珍しくないのですが、わりとかっちりした内容でこのような表現は新鮮と言えば新鮮で、非常におもしろみのある漫画だと思いますので紹介しました。

伊図さん同様、近藤さんの漫画もどれもおすすめです。かなり独特な雰囲気が味わえるのではないかと思います。

 

2.2.3. 友達として大好き


友達として大好き(1) (アフタヌーンコミックス)

3つ目は『友達として大好き』です。正直これはけっこう私の趣味が入ってますが、でも、良い漫画です。

この漫画は、息を吸うように恋愛をし、どうやら肉体的なやりとりも厭わないらしいギャルが、一人の真面目男子に友達になることを申し込むところから始まります。

設定だけ聞くとさもありなん、という感じですが、でもこの人は漫画がうまい。というより「呼吸」の入れ方がうまい。ちょっと「ウッ」となりそうな内容でも、うまく「呼吸」を入れて、かつキャラをかなりふんわり書くことでうまく回避しています。

読んでいると、かなり胸がキュッとなる作品です。あと主人公のギャルもかわいらしいんだけれど、やはり相手のメガネ男子が良い、というか性癖。なんか近年の漫画、男が可愛いすぎません?

ともかく。おすすめです。

 

2.3. 余談

以上、おすすめを3本に絞って紹介しましたが、アニメと同じく、いろいろな意味で言うまでもないものは除外しています。例えば『チェンソーマン』とか『チェンソーマン』とか『チェンソーマン』とか(あと『チェンソーマン』経由で読んだ『魔女』とか『アバラ』とか『斬り介とジョニー四百九十九人斬り』とか)。

あとは『ワンダンス』とか、『可愛そうにね、元気くん』とか、Twitterで何度も紹介しているものもはぶいています。それらは相変わらずおもしろいですね。

あとは『亜童』とか『チ。』とかはある程度話題になっているらしかったので言わなくてもよいかなという感じでした。これらは今後に注目したいと思います。

あとは大上明久利とかに注目しています。『極東事変』もおもしろかったし、最近出た作品集『KILLER QUEEN』も良かったですね。

それからやっぱ自分は『アフタヌーン』好きなので『アフタヌーン』の漫画は全部おもしろく感じてしまいますね。『ブルー・ピリオド』、『宝石の国』はもうずっとおもしろいし、最近だと『スキップとローファー』とか『メダリスト』とか『ダーウィン事変』とか。うん、やっぱ全部おもしろいですね。

気になったものがあればぜひ読んでみてください。

 

 

3.0. Vtuber

3.1. 総括

2020年は、本当にVtuberの存在がでかかったです。2020年はVtuberの年と言ってもいいくらいにはVtuberを見てました(最後の方はだいたい1日10時間くらいは流しっぱなしにしていました)。

それはとにかく、自分の生活リズムとVtuberの活動リズムが共鳴していたことが大きかったです。私はそもそも一つのことに集中するのが難しく、作業中つねに何かを流してないと発狂しそうになるので、Vtuberには本当に助けられました。

とくに生放送型のVtuberの存在がでかかったです。というのは、生放送だと、やはりそこに「いる」という感覚が強いからです。私にとっては、誰かがそこに「いる」、共に「在る」という感覚が、一番生をつなぎとめてくれる感じがして、強すぎないその感覚がある程度必要です。

 

ということだったので、ここでは少しだけVtuber、というよりにじさんじとホロライブの話だけさせてください。他のVtuberも見てはいるのですが、やはりでかかったのはこの2つのグループなので。

それで、もしVtuberって何から見ればいいかわからない?という方がいるとしたら、とにかく「切り抜き」から見てください、と言いたいです。「切り抜き」というのは、場合によっては何時間もある配信から面白いところから「切り抜いた」動画のことで、要するに面白シーン集なので。

例えば最初は以下の切り抜きなんかがおすすめです。

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とにかく、切り抜き→気になったライバーの配信を見に行ってみる、という順で行くと無事に沼にはまれます。

そういうわけでまずは切り抜きを見てほしいわけなんですが、一応記録として、なんとなく私が書いておきたいことを少しだけ以下に記しておきます。

 

3.2. ちょっとした紹介

3.2.1. にじさんじについて

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もうにじさんじは沼すぎて話は尽きないので、本当にとくにドハマりしたことだけはなします。

私がドハマりしていたのは「レバガチャダイパン」です。これは社(ヤシロ)と笹木(ササキ)のMC2人がゲスト2人を読んでゲームをするという「友達の家ゲーム実況バラエティ」番組なんですが、私はいつもわかりやすく、杉田と中村のいない「東京エンカウント」だと言っています。

これはもう正直バーチャルの特性を生かしたとかそういうのではなく、ただただ面白い、どちらかと言えばTV番組に近いものなんですが、しかしドハマりしました。

ただここで取り上げたのには意味があり、というのはこの番組が、一番にじさんじ沼に引きずり込みやすい番組だと思うからです。いきなり見てもおもしろいし、2回ごとにゲストもかわるので、にじさんじメンバーのことを知るのにちょうどよい番組だからです。

 

にじさんじは人数が多い分(約100人)、追うのも大変ですが、ハマり始めればそれはむしろ宝の山と化します。アーカイヴの蓄積が毎日凄まじい量増えていくので、見るものには本当に困りません。

それに加えて、にじさんじはやはり企業Vの中では大手なので、大人数での企画やライブを見られるところが強みなのかなと思います。にじさんじ甲子園とかマリカ杯とか、ライバー同士の戦いの中でドラマが生まれるのも、これだけの人数がいるから、かつ企業として力があるからこそだからなのだと思います。

そういう意味で、にじさんじは内輪だけでも文脈が無限に生成されてゆくので、いわばバーチャルな生を彼らといっしょに歩むことが可能になるように思います。それはバーチャルな生だからといってないがしろにしているのでは決してなく、むしろバーチャルな生とそこに賭けられている重みを感じるからこそ、ファンの方はいっしょに喜んだり、悲しんだりするのだと思います。

 

3.2.2. ホロライブについて

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ホロライブの個別の配信は、触れたいことがありすぎて紙幅が足りなさすぎるので、ここではあえて『ホログラ』について語らせてください。

『ホログラ』はホロライブ公式が配信している3Dショートアニメなのですが、はっきり言って毎回意味不明です。これは完全に初見バイバイなので、初心者の方にはまったくおすすめできません。

しかし『ホログラ』には奇妙な魅力があり、マジカルバナナの劣化版が続くような支離滅裂な展開は往年の『ギャグマンガ日和』や『てーきゅう』、あるいは『てさぐれ部活もの』なんかを思い起こさせます。

こういうおもしろさというのはなかなか狙って出せるようなものではなく、いろいろな事情が込み入った結果だと思うので、見るなら今です。ホロライブをある程度知っている人も、ぜひよく見てほしいです。

 

3.3. Vtuberの可能性ついて

ここではあまり詳しく言う余裕はないのですが、今年Vtuberにはかなり可能性を感じました。

その一因として、まずsuper chat機能があります。super chatは要は投げ銭なわけで、お金が絡むのでいろいろなトラブルの元にはなるのですが、それはいったん置いておいて(あるいはそういう現象も含めて)、これだけの額が可視化されたまま消尽されていく様を見られるというのはおもしろいことだと思うのです。

桐生ココの水洗スパチャ(配信者がトイレに行くと水洗に見立てた青色スパチャが飛び交う)や、先日のi'sスノハレラスサビ2434オレンジスパチャ(μ'sの「Snow halation」のラスサビでサイリウムをオレンジにするというのはかねてからの伝統だが、にじさんじのグループi'sがスノハレを生放送で披露した際にはそれをオレンジ色のスパチャで、しかも2434(にじさんじ)円のスパチャで表現した)は、お金という大切なものをなげうった「遊び」として、(くだらないかもしれませんがしかし)大事なことだと思いました。

 

それから一番感銘を受けたのは、やはりバーチャルな在り方がそこにはある、ということです。

Vtuberにハマる前から、私はバーチャルに生きるということに固執してきたわけですが(私が「リアル」と密接に結びつけずにTwitterをやっているのもその一環です)、そのひとつのモデルがVtuberにはありました。

中にはその生をひとつの「物語」に捧げるVtuberなどもいて、本当に良い生き様だなあと思います。別にそこまでVtuberを神格化するわけではありませんが、しかしやっぱり本当におもしろい存在だと思うので、ご興味のある方は、ぜひ偏見などにとらわれずに(これが大事なことです)見ていただけたらと思います。

 

4.0. おわりに

以上、2020年をふりかえりました。

やはりふりかえるといろいろありましたね。今年はかなり『俺ガイル』に力を入れていたので、ほかのことをブログで言うのは難しかったのですが、以上でなんとなくどういう感じの一年を過ごしていたのかは伝えられた気がします。

 

4.1. 来年について

来年は、正直未知数です。

ただとにかく基本的なスタンスは変わらず、やりたいことをやり、書きたいことを書くといった自由気ままな感じになるでしょう。

直近だとエヴァがありそう(どうかな?)なので、ひとまずはエヴァがどれだけのインパクトを残すのかというのが問題になりそうです。

あとは『チェンソーマン』ですかね。今回はあまり書かなかったのですが、『チェンソーマン』も自分の中ではかなり大きくて、もう本当に書きたいことは山ほどあるので、順次書いていけたらと思います。

 

4.2. 2021

というわけで、長くなってしまいましたが以上にしたいと思います。

最後になりますが、読んでくださった方々に感謝申し上げたいと思います。とくに今年は、本当に熱心に読んでくださる方に多く出会い、本当にありがたく思います。

それでは皆さんよいお年をお迎えくださいませ。

それでは。

 

さようなら2020年。こんにちは2021年。