はじめに(追記2019.03.05)
ダリフラ考察記事はすべてダリフラ放送時に、放送と同時進行して書いた記事です。
基本的に、1話が終わるごとに1記事書いていたので、記事にはだいたいそれが書かれた前の週の情報までが含まれていることになります。
裏を返せば、これを書いている当初は、それ以降の展開や結末を知らずに記事を書いていたので、当然記事には実際には起こらなかった展開の予想や、回収されなかった伏線の考察などが含まれます。
それらにご注意の上、お読みいただけますと幸いです。
なぜ「ハチミツ」……?
きっかけはOPでした。


OPサビ前のこのシーンは、サビへの盛り上がりへつながる大切な場面だと言えるでしょう。
(そんな大切な場面でなぜハチミツ……?)
ゼロツーの妖艶な舌の動きからしてキスカットにうまくつなげるためかもしれない、と思っていましたが、第二話放送後にさらなる違和感に襲われました。
違和感の原因となったのはこのツイートです。
【第2話原画公開!】#ダリフラ 第2話「繋がるということ」より原画を公開!ゼロツーが料理にかけていたのはハチミツでした!
— ダーリン・イン・ザ・フランキス (@DARLI_FRA) 2018年1月26日
特設ページ:https://t.co/K8q8s89aFN
※毎週金曜日、各話より原画公開中!
★第3話は明日11/27(土)23時30分よりTOKYO MXほか各局にて順次放送! pic.twitter.com/UxHFiJBUrL
毎週名場面として原画が公開されるこの企画、第二話で取り上げられたのはゼロツーがハチミツをかけた料理を食べようと口をあけている場面でした。
さらにわざわざ「ゼロツーが料理にかけていたのはハチミツでした!」と、制作側が「ハチミツ」を強調するかのような語順でツイートされていたのです。
ここに私は強い違和感を抱きました。
そこでもう一度本編を見直してみたところ、『ダリフラ』では「ハチミツ」が非常に重大なコンセプトとなっていることに気が付きました。
以下では「ハチミツ」から『ダリフラ』世界を解きほぐしていきたいと思います。
「ハニカム構造」


本編を見直すと、様々な場面で「ハニカム構造」が見受けられることがわかります。
「ハニカム構造」とは、ハチの巣に見られるような正六角形が敷き詰められた構造のことです。
例えば上の画像のようにナナとハチが指令を送る管制室のような場所ではモニターに「ハニカム構造」が見られます。
よく見返してみると、他にも多くの場面で「ハニカム構造」が使われていることがわかります。


例えば↑のようなプランテーション内部都市の構造の一部や、ヒロが乗っていた訓練機のシートなどです。
また他にも(「ハニカム構造」ではありませんが)プランテーション内部都市の色も「ハチミツ」色をしていました。
さらに、公式サイトの背景で使われている教会のような場所の照明(?)も黄色いハチの巣のようなデザインになっています。
以上のように、『ダリフラ』では多くの場面で「ハニカム構造」やハチにまつわるデザインが使用されています。
なぜここまで「ハチ」にこだわるのでしょうか……?
「フランクス」=「花」
『ダリフラ』において「ハチ」と関連するのは背景や設備だけでなく、「フランクス」もです。
なぜなら「フランクス」は「花」だと考えられるからです。
ここではわかりやすく「花」と表現しましたが、正確に言うと、「フランクス」は分類階級の「属」に当たるということになります。
例えば「ストレリチア」は英語で表記すると "Strelizia" ですが、これはゴクラクチョウカ属の学名に当たります。
そしてゴクラクチョウカ属の花は鳥の頭のような形をしていることで有名です。
ここで思い出されるのは「比翼の鳥」という『ダリフラ』のメインコンセプトの一つです。
そして「比翼の鳥」とは「極楽鳥」の別名でもあります。
「極楽鳥」の読みは「ゴクラクチョウ」ですから、ここに「ストレリチア」という命名の由来があると考えて間違いないでしょう。
ともかく、ここで確認しておきたいのは「ストレリチア」とはゴクラクチョウカ属のことということです。
そして他の「フランクス」も同様に「花」を咲かせる植物の階級名に由来します。
「デルフィニウム」= "Delphinium" は「デルフィニウム属」、「ジェニスタ」= "Genista" は「ジェニスタ属」、「クロロフィッツ」= "Chlorophytum" は「クロロフィッツ属」、「アルジェンティア」="Argentea"は種名の一部に当たります。
そしてこれらの植物はすべて「花」を咲かせる被子植物であるということにハチとの関連が見出せます。
「ステイメン」=「おしべ」、「ピスティル」=「めしべ」
「花」にはおしべとめしべがあります。
『ダリフラ』世界でこれに当たるのが「ステイメン」と「ピスティル」です。
なぜなら「ステイメン」= "stamen" とは日本語で「おしべ」、「ピスティル」= "pistil" とは日本語で「めしべ」を意味するからです。
ここまでくれば「ハチ」との関連性がわかります。
すなわち、「ハチ」は植物、それも特に「花」を咲かせる植物において、「おしべ」の花粉を「めしべ」まで運んで受粉させるという役割を担っています。
『ダリフラ』世界ではこの一連の「ハチ」の働きが大きなコンセプトとなっているのではないでしょうか。
それではなぜ「ハチ」なのか
なぜここまで「ハチミツ」や「ハニカム構造」といった「ハチ」に関するモチーフが『ダリフラ』世界に持ち込まれているのでしょう。
作中での大々的な取り込み方から考えて、この「ハチ」は作品を読み解く上で非常に重要なカギとなることは間違いないでしょう。
それではなぜ「ハチ」なのでしょうか。
『ダリフラ』をさらに読み込んでいくと、「ハチ」というよりも「花」、「おしべ」、「めしべ」、さらには「パラサイト」、「オトナ」、「コドモ」、「APE」、「ゼロツー」などカギとなる要素を総合した概念が浮かび上がります。
これらの要素すべてをリンクさせるのが、「ラマルククラブ」の存在です。
この話を詳しく語っていきたいところですが、字数も時間も限られているので、今回はこのあたりで切り上げたいと思います。
続きはまた次回以降で考察していきます。
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