野の百合、空の鳥

アニメ・漫画・文学を「読む」

直井文人は「神」である。 ―Angel Beats! への答え③―

7. 神の人間化 8. 「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになるのですか」 9. 人間の神化 10. 元型 (Archetyp) 7. 神の人間化 こうしてヤハウェは「人間化」することになる。 しかし彼も神だ。ただの人間にはなろうとしない。 彼がなった人間は、人間は人…

直井文人は「神」である。 ―Angel Beats! への答え②―

4. 『ヨブへの答え』 5. 神 (ヤハウェ) の無意識 6. 神をも超えるヨブ 7. 神の人間化 4. 『ヨブへの答え』 カール・グスタフ・ユング (1875-1961) はスイスの心理学者・精神科医で、「ユング心理学」の創始者として有名だ。 ユングは著書『ヨブへの答え』で…

直井文人は「神」である。 ―Angel Beats! への答え①―

1. 「僕が神だ」 2. 神は平等で、愛に満ちている? 3. 神は理不尽である 1. 「僕が神だ」 人は死ぬとどこへ行くのだろうか。 天国に行くのか、地獄に行くのか、はたまた死んだら何もないのか。古今東西、死後の世界はいろいろな作品で描かれてきた。そんな死…

【ピンドラ 考察】ゼロから見直す『輪るピングドラム』②「蠍の火」とは何か【1~3話】

Ⅳ. 「蠍の火」とは何か ⅰ. 『銀河鉄道の夜』における「蠍の火」 Ⅴ. 「子供」は『銀河鉄道の夜』をどう解釈したのか ⅰ. 「愛の話」 ⅱ. 自己犠牲を伴うほどの「愛」は「さいわい」なのか? Ⅵ.「苹果」と「蠍の火」に残された解釈の余地 ⅰ. 『ピンドラ』という…

【ピンドラ 考察】ゼロから見直す『輪るピングドラム』①「苹果」とは何か【1~3話】

Ⅰ. はじめに 「僕は運命って言葉が嫌いだ」 (『輪るピングドラム』1st stationより) 「ゼロから見直す『輪るピングドラム』」は、『輪るピングドラム』をもう一度、ゼロから、じっくりと見て考察していこうという試みだ。したがって本企画では、「苹果(リ…

【さらざんまい最終話】解釈・考察 「欲望の河」と「未来」――欲望をつなぐものだけが未来を手にできる――【後編】

<前編>からの続きです! www.zaikakotoo.com Q4. 「未来」が漏洩したことには何の意味があるの? A4. 「つながり」はしんどいけど、それでもなお「つながり」を選び取ったことを強調している a. 「つながり」ってしんどい b. 「サッカー」というモチーフの…

【さらざんまい最終話】解釈・考察 「絶望」と「独善的な欲望」と「つながり」――黒ケッピとは何か・カワウソとは何か―― 【前編】

Ⅰ. はじめに 『さらざんまい』が終わりました。 しかし、(少なからず同じような気持ちの方がいらっしゃると思うのですが)私はまだいろいろと消化しきれていません。 そこで今回は、最終話についてじっくりと解釈した上で、改めて『さらざんまい』という物…

【さらざんまい第十皿】感想・考察 ――星の王子さま・「欲望か愛か」・「つながり」とは何か―― <後編>

< ↓ 前編 ↓ > <前編>から日が開いてしまって申し訳ないです。 その間に見返して気づいたことも含めて、改めて十皿の感想・考察、やっていきたいと思います。 // Ⅴ. 真武の「欲望の対象」は何だったのか ⅰ. 「欲望の対象」=「ツナガリ」 ⅱ. 「ハコハコ♪…